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僕の大事な相棒

「……これで全員揃ったな」


  アンソニーが法王服のケープの下に手を差し込み、一匹の灰色の子猫を摘み出した。


「……あっ、そのコ、もしかして……!?」


 それは、あの、大人の掌にすっぽり収まる大きさの、幼形成熟ネオテニーとして創り出された猫だった。

 ヘミングウェイにちなんでアーネストと名付けられた多指症の猫だ。


 相変わらず小さい。

 が、もう三歳にはなっているはずのアーネストは、子栗鼠のような素早さで法王アンソニーの肩によじ登る。


 そして----。


「……おかえり、モルガーナ姉さん」


 私に向かって、アーネストは、はっきりとそう言った。


「マヌエル……貴方マヌエルなの!?」

「マヌエルでもあるし、アーネストでもある、ってところかな……今の僕に残ってる『力』だと、このくらいのサイズの身体じゃないともう自由に動かせなくてね」


 では、このコはもうアーネストではないのか。

 実験のためにラボで生み出された、天真爛漫な猫もまた、単なる器としての役割でしかなかったのか----。


 やるせない思いで黙り込んでしまった私に、その子猫マヌエルは言った。


「違うよ姉上、アーネストは道具なんかじゃない……僕の大事な相棒だよ」

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