とある魔女の告解 file6
就任式の行列で、補佐官の私はマリアの後ろで、彼女の大剣を捧げ持っていました。
惑星監督官のシンボルは、監督官と一緒に帰るのが決まりになっていますから……。
そして塔の前で行列は終わり、マリアとメリッサ、そして私の三人だけが塔の入口の前に残りました。
一角獣の角のように、先端に向かって次第に細くなる白い塔の姿は、今でも目に焼き付いています。
就任式のためだけに作られた塔。
それは巫女の墓標でもありました……。
メリッサは不安そうな表情でマリアに纏わりついています。
一方のマリアは……どこか険しい表情で塔を見上げています。
恐らくは何かを感じ取っているのでしょう。
私と目が合っても、いつものように微笑んでくれる事はなく、それが私の胸をズキリとさせました……この期に及んで、私はそれほどまでに身勝手な人間だったのです。
友人としてかけるべき言葉は、見つからず。
補佐官として告げるべき真実は、舌に乗せる事も出来ないまま……。
私はマリアとメリッサを塔の内部へと招き入れます。
これから何が起こるのかを全て承知しているのにも関わらず、二人に向かって微笑む事ができた私は、本当に魔女そのものでした……。
そして『玉座』へ繋がる螺旋階段が姿を現しました。
その時、不意にメリッサが螺旋階段に向かって駆け出したのです。
それは明らかに意思を持った走りでした。
解けるはずのない催眠が解けたのだ、と私は直感的に悟りました……。




