とある魔女の告解 file3
惑星機構の当初の理念は、平和と平等でした。
それは本当だったのだと思います。
しかし、永過ぎる年月は、平和を安寧へ、やがて怠惰へと堕落させてしまいました。
惑星間の対等な連合関係ではなく、未開の惑星を探しては監督官を派遣し、マキナによる統制を行う、植民地支配のシステムと化してしまったのです。
惑星機構の上層部、特に十二王家の人間は、もはや人ではなく神の如き存在になっていました。
複雑化高度化したマキナは巨大になり、あらゆる情報処理のため、毎秒膨大な量の資源を消費し続けます。
自ら労働する事なく、宇宙の平和という高邁な理想を日々語るためだけに、彼らは代わりに畑を耕し刈り取る労働力を求めました。
『心』を持たず、神を敬い、疑問も持たずに供物を捧げ続ける従順な人間を……。
探査によって発見した惑星の知的生命体は、ほとんどが、脆弱な肉体と低い知能、そして短い寿命しか持っていません。
そのため、継続した労働が出来るように、遺伝子レベルでの改造を行う事も普通に行われていました。
メソポタミア神話では、神々は自分達に反抗した神の血を粘土に混ぜて、寿命の長い人間を造り使役したとあります。 それと同じ事を、惑星機構は数万年から続けていたのです。
『心』についても、同じ理由です。
惑星機構にとっては統治先の人間の持つ『心』など危険因子でしかありません。
そのため、知能が発達していない生命体がいた時は、身体能力のみを向上させるような進化の介入を行いました。
問題だったのは、発見した知的生命体が既に『心』を持ち、一定の文明を発展させていた場合です。
マキナはその問題にも提案という形で答えを出しました。
----『心』の吸収です。




