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代替品
『調律』は単に記憶の操作だけではない。
帰還した補佐官は、他の惑星で過ごした事による細胞や遺伝子の変化を調べるために、様々なサンプルを採られる。
変化が認められた箇所については、次の任務までに従来の状態に回復させておかねばならない。
一方で、十二王家の人間である監督官に対しては、余程の事がない限り簡易的な身体検査のみが行われる。
幾つかの事情はあるが、補佐官は、いわばこうして監督官の身代わりのような役割も持つ。
補佐官の眼球についても、それ自体を記憶媒体として使用するため、任官時の『調律』の際に義眼を装着させられ、その後に施される『調律』の度に新しい物と交換しているそうだ。
これについては領域Aへの電気刺激を与えるのと並行して交換作業が行われているため、ほとんど痛みはないという。
視力の変化もないため、本人に義眼の自覚はないとされている。
ただ、それが私にも当てはまるのかどうかは、分からない----。




