厚生局精神衛生保安部発行生活ガイドより抜粋
『市民の皆さんがこの社会で生きていくのには、『心』という存在は不要なばかりか、有害なモノなのです。
人は『心』があるからストレスにかかります。
ストレスは身体の様々な機能を低下させ、病気になります。
身体だけではなく、脳の機能にも深刻な悪影響を与え、暴力性の発現、不安感によるノイローゼを引き起こします。
『心』が引き起こす弊害は、社会全体での大きな損失に繋がります。
これを防ぐため、惑星機構は毎年『心』の治療とストレスの予防に莫大な予算を計上しています。
病気になるという事は、すなわち惑星機構へ負担をかけているという事になります。
『心』を持つという事は、惑星機構が、本来の目的である、全宇宙の平和安定のために使う財政を奪ってしまうのと同じ事なのです。
『心』を持たなくても、全てマキナがあなたの生活を平和で豊かなものにします。
安心してマキナに全てを任せて、幸せな人生を送って下さい。
少しでも幸福度が低下したと感じた時は、医療機関受診の提案をいたします。
あなたに合った方法で、本来の幸福度を回復しましょう。
市民の皆さんは、毎日必ずスポーツをしましょう。
全自動走行車での快適なドライブも、おすすめです。
無料で提供される、死ぬことのない犬型や猫型の生成ペットと楽しい時間を過ごす事も、幸福度の向上に役立ちます。
あなたが毎日のメニューに頭を悩ませる必要も、一切ありません。
食糧庫と連動した自動レシピが、あなたの遺伝子に一番適した美味しい三食を提案します。
マキナとの生活は、あなたを全てのリスクから守ります。
特に青少年の健康管理は、両親にとって最大の義務です。
健全な精神は、健全な肉体にしか宿りません。
遺伝子検査と検診結果から、マキナがお子様に最適なスポーツを提案いたします。
最後に、惑星機構からの皆様への大切なお願いです。
生まれた赤ちゃんにもし『心』があったら、一刻も早くそれを取り除いてあげて下さい。
それが、親としての責任と義務です。』




