父の苦悩、娘の思惑。
父は頭を抱えていた。
今回の探査で新しく発見された惑星は、岩石型惑星だという。
惑星は大きく分けて岩石型とガス型、氷型の三種類に大別される。
岩石型の場合、主に岩石と金属で出来ている。
この種類の惑星は、表面に液体の水と大気を持つものが多く、事前の簡易探査でも、温暖で比較的安定した環境であるとされている。
生命の存在の可能性はかなり高い。
なおかつ、その惑星には月があった。
生命とは、単に気候の変化や、年月の経過によってのみ進化する訳ではない。
月を持つ惑星と持たない惑星では、生命体の進化の速度も方向性も異なるのだ。
月は潮汐力によって、惑星の海水の干満を引き起こし、その大気にも影響を及ぼす。
月は大気をその引力で繰り返し動かし、大地の造山運動を活発化させ複雑な地形を形成する。
また雨を降らせる事で大地を削り、海を作る。
生命は多くの場合、この海から発生し、長い時間をかけて複雑な身体構造と脳を獲得していく。
今回発見された惑星は、誕生から40億年以上は経過しているという。
つまり、知的生命体が存在し、かつ進化を遂げている可能性が非常に高い。
それも、かなり高度な知性を有しているか、あるいはその途上にあると推測される。
結論から言えば、住民達は既に『心』を有している可能性が高い。
そして、今、惑星監理官として、新しく発見された惑星に派遣される可能性があるのは、まだ成人の儀を済ませていないどころか、監督官としては相応しくない『心』を持っている私一人しかいない。
十二王家の一人としての重責に加え、家長として未だに娘の私の『心』の『治療』に成功していないという負い目は相当大きいのだろう。
私には何も言わなかったが、部屋に籠ることが多くなった。
だから----私は一計を案じる事にした。




