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fragment1
僕は後悔していた。
中庭の林檎の木に登って枝を折ってしまった時や、父上の剣をこっそり持ち出したのがばれて拳骨を喰らった時なんか比べ物にならないくらいに、後悔していた----。
「マヌエル……いるの……?」
姉上が、すぐ隣で僕を呼んだ。
とても、か細く、消え入りそうな声で。
「僕、ここにいるよ、大丈夫だよ」
僕の声も、消え入りそうで、震えている。
知らなかった。
後悔って、こんなに、身体がバラバラになりそうなくらいに痛くて、苦しいものなんだ。
どうして僕はこんな所に来てしまったんだろう。
こんなにも昏くて深い、魔女の森なんかに----。




