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魔女アイリス
何度も言うが、私は魔女ではない。
だが、ここに----この法王庁の中庭の地下深くに、数百年もの長きにわたって『飼われて』いる。
私は、魔女ではない。
ここには拷問と処刑を経て、連れて来られた者しかいない。
ここには魔女裁判から生還した者しかいない。
ここには『死ななかった者』しかいない。
私は魔女ではない。
だが、私はこの地下室から出る事を許されていない。
火刑に処されてもなお甦った『魔女アイリス』として、法王庁に登録されているからだ。
そして、理由はもう一つある。
私は『はじまりの魔女』の唯一の糧なのだ。
『はじまりの魔女』に魔力を供給する源であり、『はじまりの魔女』の隣に常に控えていた。
そう、
私は、
魔女なのだ----。
私自身がどんなに否定しても----。




