表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/381

地下室

「もう起きてもいいんだよね?」


 一々尋ねてこられると、なんだかこちらの調子が狂ってしまう。

 妙な律義さは子供らしくないようにも、いや、子供だからこそなのかもしれない。

 そもそも子供と最後に話したのはいつだったか----。


 「ここの朝ごはんって、何時から?」

 「……もうずっとごはんは食べてないわ」

 

  べッドから出た私の姿を見て、メリッサは目を丸くする。

 「服も、そのままなの……?」

 言われてみれば、服も最後に着替えたのはいつなのだろう。

 最後の戦闘で失明し、ここに戻されて以来、このままの格好だ。


 「ここに……ずっと一人でいたの?」

 信じられない、という口調で少女は言い、部屋を見回す。


 「そういえば、ここ、ベッドしかない」

 「他の部屋もあるわよ……この地下は広いから奥には確か食堂も……」

  私の言葉に、少女は顔をぱっと輝かせた。


 「他の部屋も見たい!」


 少しずつ思い出してきた。


 これが他人と暮らすという事だ----。


 私は気付かれないように、小さく溜息を吐いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ