伝説の男 柳瀬光流
柳瀬光流。その名は競技の歴史を遡れば必ず目につく。
メタルコンバット初代セブンスチャンピオン。
公式戦7大タイトルを制覇したものに与えられる栄光の称号。
それを最初に達成した天才が柳瀬光流という男なのだ。
選手たちの公式戦の戦績をまとめたサイトがあった。
柳瀬光流(--歳)
生年月日:不明
年齢:男性
出身:不明
所属チーム:Xtec.Armaments
「185戦 123勝 45敗 12分け 無効5 優勝73回」
勝率68.3%、歴代5位
最大連勝数52、歴代3位
試合数(無効試合は含まない)180、歴代10位
大会優勝数73、歴代1位
推定賞金総額125.6億、歴代1位
現役期間43年、歴代1位
経歴に不明欄が多く選手名鑑にすら載ったことがない。無名にしては深いつめ跡を残し、その謎に満ちた正体を追い求めるファンも少なくない。
一説には「柳瀬光流を自称する無名の選手の戦績の合計」とも言われている。一部のファンのあいだでひそかにささやかれる都市伝説になってしまったのである。
一方その光流は会社のオフィスでぐったりしていた。その隣には秘書である碇誠がいる。
「社長、先ほど新聞社から電話がありました。どうやらメタコンのことで…」「取材?やだね。絶対に嫌だ。」「ですが…」「ですが?」「今月中の売り上げがまだほとんどで…」「じゃあもっと頑張ってよ。」「ここは社長がオープンメディアで宣伝するチャンスです!」「なんで僕が…」「社長に取材したいとの電話でしたので。」「やだね。」「どうしてそこまでして取材を嫌うんです?」「……だって…」「だって、何なんです?」「だって僕がメディア出ると死に物狂いで僕を追跡してくる奴らがいふんだよ?!怖くてできないよ!」「えぇ…」「住所特定されたらどうするの?!変な荷物届いたらどうするの?!電話番号特定されたら?!迷惑電話で夜も眠れないよ!」「そんな…心配しすぎですよ…」「碇くん、君はネットを舐めている、舐めすぎている!」「失礼ですね、僕だってネットはできますから!」「はぁ?!この前まではインターネットは廃れた文化とか言ってたくせして!」「オールドテクノロジーなのは確かでしょう?!」「まだまだ覇権だっての!」「何の覇権ですか!そもそもあれ使ってる人ほぼいないじゃないですか!」「君はネット新聞の偉大さを知らないだけだよ!」「新聞だけじゃないですか!」「だけじゃありません〜!ゲームとかもあります〜!」「とかって何ですか!濁して逃げないでください!」
その後数時間口論は続いたとか。
伝説って、なんなんでしょう。




