嫌われ者
公式戦リーグカップ、当日の会場にてその組み合わせが抽選によって決まった。
美娘は第三リーグだった
早朝から会場に集う人々、そのほとんどは観客であろう人々。その目一つ一つが輝いていた。その光景に心のなかで改めて思うことがある。これほどまでにこの競技は人々を熱狂させるのかと。そして私はこれからその熱狂する人々を楽しませる側であると。
「第三リーグの試合は午後からだね。ゆっくり観戦してていいよ。」と光流は言う。きっと彼はそんなことを言うことはないし、そんな気持ちもわかないだろう。しかし私には「ほかの人の試合を見て勉強をしなさい」と言っているように聞こえて仕方がなかった。
会場の客席はフィールド全体を囲むようにできていた。あとから知ったことだがメタコンにも客席エリアごとに名前があってそのなかでもBCの登場口の真上がゴールド席らしい。
会場にはざわつきと熱気でいっぱいだった。
試合が始まるとすぐに観客全員の歓声が上がった。
試合の内容は目を見張るものなく、今ひとつぱっとしないような試合だった。それなのにどうしてかフィールドの機体が動くごとに声が上がる。
特にこれと言った特徴もない機体同士であるが、赤と白がぶつかり合い、火花が散って何とも美しい。
試合の結果はおそらく赤い方の勝ちであろうか。
決着は地味なものだった。
対に試合が始まるという時にしばらくあったざわつきが途端になくなった。
さっきまであった希望の熱が今は静かな怒りの熱に変わっている。
試合開始のブザーとともにブーイングを始める観客その怒りの矛先は目に見えて分かった。破壊した相手機体の上に乗り、観客を煽るような仕草を取る。試合は一瞬であったがその光景だけはしばらく頭に残った。
あの機体は、あの機体を操る人は一体どの様な人間なのだろうか。




