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七月七日

 七夕の日。


 猛暑を記録しているこの日も学園の授業が終わったあとは、部活はある。



 りりあの放送の呼びかけで


「この地域では、連日猛暑となり、グラウンド、体育館等ともに非常に暑くなります。水分をこまめにとり、熱中症対策をしっかりして、部活動のかたは、活動して下さい」



 りりあは、放送部の呼びかけおわりに、後輩たちに、これからのスケジュールの話しをしてから、部室へと向かう。

 もう少し経つと、先輩たちは委員会も活動がなくなるため、徐々に二年生が中心となる。



 部室につき扉をノックする。


 コンコンコン。


「失礼します」


 もう部室ではエアコンを稼働しているため、涼しい空気が流れてくる。

 そして、急に話し声がきこえてくる。


「七夕じゃん。願いなに?」

「県大会にいけますように」

「恋人ができるといいな!」

「県大会」

「けんたい」

「たいかい」

「しょうめい」

「ちょっとー! わたしだけ自分の欲望じゃん。もう」


 こうして話してるのは、亀さんだ。


「なに、七夕の話しだよね」


 りりあが話しかける。


「あ、りーあ! はなに願うの」

「うん。そうだなぁ」


 ほんとは、とおやくんと、もう一度話しができますように、だ。


 でも。


「うん。県大会」

「もう。りりあまで」

「ふふっ」


 冷房の涼しいなか、着替えをおえた部員たちは、下の舞台 (暑い)に、降りていく。



 扉をでたメンバーからは、交代で、暑いの声だ。

 一年生たちも一緒に、着替えおわり、でるのが最後なわたしは、エアコンを消した。


 少し経つと、もう部室は暑くなるのだろう。



 舞台に降りていくと、

 基礎練と発声をする前に、担当の先生が、どこから持ってきたのか、笹をたてかけていて、願いごとの短冊(たんざく)を渡される。


「みんな、願いごとかいて、かざってね」

「はい」

「先生、どんなでもいいですか?」

「みんなに見られて大丈夫ならね」

「はい」

「かざりおわったら、部室に運びます」


 この担当先生は、いろいろなコネクションを持っている教頭先生なため、ときどきではあるが、メンバーが驚くことをする。



 基礎練習をして、発声をしたあと、

 ペンを渡されて、願いごとを描いていく。



 みんな、さっきは、県大会のことをいっていたけど、正直に出揃うと、どうなるのか、りりあは気になった。

 りょうくんが、ちらっとこちらを見ているのは、あかねさんと、ゆいさんが近くで描いているからだろうか。


「はい。できました」


 それぞれ、描いた短冊をかけていく。


「うわー、いろんなの描いてるなぁ」


 さきほどの会話とは違って、県大会のほかのこともたくさん連ねてある。


「りーあはどう?」


 みゆさんが聴いてくる。


「あの、えと」


 ""

 また会話できますように


 一緒に過ごした時間は

 忘れてないよ


 約束


 県大会出場

 ""


「え、りーあ。だれか好きなひといるの?」

「え、あの、えと……その」

「だれかと、約束したの?」

「うん。あの、なんでもないの!」


 思わず顔が赤くなり、少し大きな声をだす。


「うん。そっかぁ」


 後輩のりょうくんが、なぜだか、少し慌てていた。



 体育館の舞台での練習がはじまる。

 りーあの手元には、今回の脚本がある。


「宝石まいのもう一度キスをする」



 まだ、読みはじめたばかりだけど、りーあのやりたい役は、決まっていた。


 三年のあーちゃ先輩が声をかける。


「さぁ。練習だよ」

「みゆさんも、しばらくは演技練習参加ね」

「えみさん、一年生と一緒に、流れを確認してね」

「はい」



 部活が終わりになり、今日もくみさんとななちと、帰り道を歩く。


「部室に、七夕飾りできたよ」

「そうなんだぁ。教頭先生も積極的だね」

「この学園、けっこうなんでもやるよね」


 三人して笑う。


「陸上、もう大会近いから、練習大変だよ」

「ケガはしないようにね」

「うん。くみさんありがとう。たぶんいまの二年時が、一番落ち着いて、集中できるかも」

「うん。応援してる」


 くみさんが、ななちの手をとって、ぎゅっと力をこめる。


「うん」



 分かれ道で、ななちは先に帰り、青バラ園で、くみさんと休憩する。


 そして、そこで魔法の練習をする。


「新魔導書は、どれくらい読めた?」

「だいぶ進んだけど、妖精言葉で読むと疲れるね」

「そう」

「うん。妖精のときにはあまり意識しないで、読んでいたけど、いまは意識して変換しないと、進まないし」

「スキルは、どの辺なの?」

「属性と、ステータス異常だね」

「じゃ、いくつかの原始属性と、状態異常の治しかたをやろっか」

「うん」



 くみさんと、いくつかの属性のかかる魔法をはじめにつかい、そのあと、リカバリー魔法を試していく。


「あー。もう暑い。りーあ、風おくって。風妖精だもんね」

「はい。風ーー! ってわたし扇風機じゃないんだけど」

「あーー! 涼しい。あと氷もあるといいなぁ」

「そんなの、自分でつくってよ」

「氷属性、うまくできるかなぁ」


 くみさんは、魔法に対して真面目だ。

 きっと、時間をかければ、ヒトの状態でも、使える魔法は増えるだろう。


 でも、魔力は足りない。


 ヒトの持っている魔力では、最大限のレベルは扱えない。

 上限解放をしなくては。



 くみさんと、魔力練習を終えて、青バラ園から、わかれて寮につくと、寮の部屋の前に緑羽鳥がきていた。



 新魔導書と高魔力結晶が置いてある。


「また新しい、魔導書。それに、結晶」


 りりあは、驚く。


「魔力結晶、貴重なものなのに!」


 緑羽鳥が、返事をした。


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