配役作戦会議
七月のこの日が過ぎれば三連休だ。
そして、九ノ葉学園の演劇部では、脚本から配役を決めることになった。
脚本は、宝石まいのもう一度キスをする
「ねぇ、りーあは、どの役かもう決まってる?」
「うん」
「みゆさんは、どうするの?」
「わたしは、男の子悪魔、がいいかな」
「そうなんだ。そしたら、りょうくんもそれかな」
「うん。そうかもね」
今回の脚本は、悪魔、天使、それに精霊が少しと、主人公のまいが、だいたいのメンバーだ。
悪魔の配役が多いけど、男の子が役になれそうなのは、悪魔と、それにまいのお兄さんなため、りょうくんは、それのどれかに応募だろう。
いまは、二年生は部室で作戦会議だ。
三年生は、先に下の舞台で、なにか話している。
一年生の三人は、担当の先生に呼ばれて、どこかにいってしまった。
一年生は、披露会の話しもあるから、同時進行なのだろう。
「今日は、仮の配役メンバーで、読み合わせてみて、明日が、部活オーディションよね」
「そうみたい。三連休あるから、その間には決めるらしいね」
「いまのあーちゃ先輩は、なにでるかな」
「あーちゃ先輩と、亀さんは背が高いし、天使とか、いいかな」
「まいと、まいのお兄さんが、子どもだよね」
それぞれ、二年のメンバーで意見をだしてみる。
このあと、舞台に降りて、一年生も合流すると、それぞれでだした配役を提出する。
あーちゃ先輩が話す。
「今日は、この三グループの配役で、台本を読み合わせしましょう。明日明後日と続けてみて、オーディションで決めたいと思います」
そのあと、担当の先生が追加する。
「三連休最後の月曜は、部活も休みだから、その前には決められるといいね」
「はい」
それじゃと、基礎トレと発声を軽いメニューで、おこなったあと、台本読みとなる。
「まずは、一年生が決めた配役からのメニューで、いきましょうか」
一年生が提出したものをそれぞれで、役として、声をだしていく。
三年生は、もうイメージを重ねているのだろう。
立ちあがったり、書きこみをしているひともいる。
りりあは、思う。
あぁいよいよ始まるんだなぁ
預言者レポートで、みた通り、きっと役にはつくだろう。
みゆさんは、どうかな。
あのとき視たのは、照明の話しをしていたけど、まだわからないか。
それぞれの役のセリフを言い合いながら、
みゆさんをちらっとみると、
みゆさんはウインクしてくれた。
二日め。
「ねぇ、昨日のはどうだった?」
「うーん。ちょっとイメージとか違うのもあったね」
「でも、一年生もだいぶ慣れてきたかな」
部室で、二年生メンバーで着替えながら、
めぐやんやみゆさん、えみさんと話していた。
三年生と一年生は、先に舞台に降りている。
「りょうくん、少し疲れてるかな」
「どうして」
「やっぱり男子ひとりだし」
「あー、なんか音響はもめてるよね」
「うん」
一年生で、いまのところ男子はひとりなため、着替えたり、荷物運びをしたりのときに、気をつかってるらしく、えみさんはりょうくんが、そのうちやめたくなるのではないかと、心配のようだ。
「この前の休みのときには、披露会まで、しっかりやる気だったし、音響も慣れてくるよ」
「うん」
亀さんと、ゆーみがおくれてやってくる。
「これ買ってきたー!」
「え、ありがとう」
どうやら、来る途中コンビニによって、冷たい飲みものを仕入れてきたようだ。
「いまから、着替えるね」
「あとで、金額計算して」
「うん。わかった」
「ところで、梅雨明けってしたの?」
「ラジオだと、ラジオ独自で梅雨明けしたってことになった」
「じゃ、もう梅雨明けだね!」
担当の先生がおくれてきたのも、飲みものの買い出しをしていたからなようだ。
たしかに、この暑さ。
各自持ってきた水筒やペットボトルだけじゃ、あっという間だ。
「ねぇ、亀さんとゆーみは、提出したので、よかった?」
「もちろん」
「じゃ、今日のオーディションもいきますかぁ」
今日のは、二年生と三年生がそれぞれ選んだメンバーのものだ。
これで、決まるはず。
「まずは、これ配りますので、合間でしっかり、水分補給してね」
「あつい」
「だね」
えみさんと亀さんが、メンバーに冷たいペットボトルを配る。
「じゃ、はじめますか!」
二年生が選んだ配役で、今日一回めの読み合わせ。
はやめの昼食の休憩をしたあと、三年生の配役で、二回めの読み合わせをする。
合計三回の配役を変えての台本読みがおわり、あーちゃ先輩と、担当の先生が、交代でまずは、感想を伝える。
「お疲れさまです。ここまで、読んでみると、何名かは、同じ役になってますね。たぶん、背やバランスなんだろうけど、もうちょっと、バラけてほしかったです」
「それから、りょうくんが、悪魔の役と、お兄さんの役に入っていたけど、妹の主人公との駆け引きが、ムズカシイ気がします」
「はい」
りょうくんが返事をする。
「妹役を一年生でまとめてもいいのですが、一年生は、そのあたりは考えましたか?」
「はい」
返事をしたのは、あかねさんだ。
「わかりました」
それでは、えみさんと、三年生は集まってください。
「りーあ、少し待機だね」
「うん。」
すると、ゆいさんが、少し泣きそうな感じになっている。
「ゆいさん」
声をかけるが、近くにいく前に、あかねさんとりょうくんが、先にゆいさんと話しをしている。
「ゆいさん、あまり役に選ばれてないから、ショックなんだよ」
「うん。わたしも、二つだけかな」
「みゆは、背たけかなぁ。まいの役も入ってたね」
たしかに、まいは小学生だから、少し幼い感じにしたいのだろう。
「黒さんと、あーちゃ先輩、それに三年生たちは、いろんな役だね。」
「うん。あ、戻ってきた」
あーちゃ先輩が、紙を持ってきた。
「それでは、これから、先に配役が決まりそうなところを発表して、そのあと、主人公と、お兄さん、それにいくつか重要人物を挙手して決めましょう」
「はい」
「天使ニ名」
「悪魔三名」
「それから」
脚本の配役が発表されていき、そのあとの、残りキャストもすべて、メンバーで挙手して、決めた。
照明、音響のひとは、代役ができるように、しばらくは、プランをつくるのと、台本読みと両方をすることになる。
「さぁ。舞台までそんなにないからね」
「一年生のみんなは、披露会の準備もあるから、どうしても時間がほしくなったら、えみさんか三年生に相談するように」
「はい」
こうして、十四日と十五日でおこなったオーディションが終わり、役が決まった。
「明日から、台本読みが中心になるね」
「あと、舞台セットも考えないとね」
「それに、衣装もだよ」
陸上部とテニス部は、今日が練習日で、明日はないらしい。
帰り道に、くみさんとななちに、話しをきいてもらおう。
「それに、くみさんの(魔力)も、もう少し、考えないと、わたしも忙しくなっちゃうな」
みゆさんが、聴こえたのか、
「なに。りーあ、もう舞台の緊張とか」
「ううん。みゆさんありがとうね」
「いいえ。りーあの楽しみ」
「それから、体育館の練習の間は、照明手伝ってよね」
「うん。わかってる。スポットも使うなら、言ってね」
「わぁ。頼りにするね」
「うん」




