【120】第二ラウンド・前半戦
るしさんが言ったフラグにも思える発言に嫌な予感を覚えながらも、代替案が浮かぶ訳も無くダンジョンを移動させて行く。そして程なくしてニクがダンジョンの射程に入った。
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ドーンの移動迷宮に搭載された大祭壇により『裂孔』の魔術が発動され、命中対象にに強力な部位破壊ダメージを与える魔力弾が放たれた。儀式祭壇の効果によって限界まで加速された『裂孔』は、音速の壁を容易く突破しており、さらには属性を持たない魔力攻撃のために通常では視認は不可能……不意打ちも合わさって必中の攻撃かに思われたそれを、ニクは〈天沼矛〉にで容易く切り払った。
「増援?移動迷宮なんて随分と豪勢じゃない。」
ニクは愉快そうにニヤリと口元を歪めると、無数の魔法陣を浮かべて即座に反撃を開始した。
「まずは、小手調べと行きましょうか?」
「悪いが!そういう訳には行かないな!」
次の瞬間、そう言いながらニクの背後に剣を振り下ろするしながらそう叫びながら現れた。古代聖浄竜によって取り除かれていた、転移対策のトラップ魔術は当然再配置、再発動されておりるしに襲いかかったが……【無敵】のスキルによってダメージとリアクションを発生させずに、そのままニク斬り掛かる。
「るしぃ!!」
ニクはるしを見とめると、先程までの余裕を見せる表情から打って変わって憎しみを滲ませた表情を浮かべ、激情のままに武器を振るう。るしの仕様する武器は【物語】によって召喚された武器は魔王の職業スキルだけあって強力無比だが、未強化の状態では及ぶべくも無い。
当然のようにるしの武器は砕かれる…かに思われた、たがるしは当然のように【受け流し】の発動を成功させてニクの攻撃を横に反らし…連続スキルが発動する。
「【カウンター】」
受け流した勢いをそのままに、くるりと一回転しながらニクに【カウンター】を叩き込む。
ニクはこれに対応する為に、瞬時に持っていかれた〈天沼矛〉を手放して…体勢を整える暇は無いと、即座に判断し【カウンター】からつ次ぐ連撃を凌ぐために結界魔術を発動する。
「【追撃】」
【カウンター】が結界に命中しま直後に【追撃】によって無数の斬撃が結界を襲ったが、この連撃を受けてなお結界には傷ひとつ着いていない……
結界には
「ぐブッ!こ、これは、固定ダメージ?」
結界の向こう側で、全ての攻撃を容易く防げた事で余裕を取り戻しつつあったニクは、突然の吐血に再び同様する事になった。
そしてその隙を逃さずにドーンが『裂孔』を放つ!さらに、結界で防がれることも考慮して中祭壇からは、結界に対して高い効果を発揮する魔術、『ピアッシング』も発動さて、『裂孔』に載せる。
再び放たれた『裂孔』は音速を突破し、ニク迫った。ニクはるしの方に気が言って行って全く気が着いていない。『ピアッシング』の効果によって、妨害を無視して進撃し、常時展開タイプの結界をくだいてニク本体に命中した!
「そんな、馬鹿な…一体どれだけのレベル差があるっていうんだ?」
ドーン渾身の一撃であったにもかかわらず、ニクは多少バランスを崩しただけ、『裂孔』が命中したはずの右腕もピンピンしている。
『生贄の儀式』をあの規模で発動させたんだ、かなりレベルが上がっているだろうとは思っていたけどまさかここまでとは……これは本当にるしさん頼みなりそうッ?
ーーーガンッ!
「ぅ!?こ、攻撃がこっちにも来てる!」
ニクはるしとの少しの攻防をへて、倍以上のレベル差があってなお、るしに攻撃をただ届かせることすら難しいと判断し、邪魔な部外者を排除しにかかることに決めた。激情に思考を埋め尽くされながらも、判断と選択は的確なままだった。
発動された魔術は『隕石雨』攻撃魔術の中で最上位に位置する魔術の一つで、その名の通り、目標地点に無数の隕石を降り注がせる魔術であり、ドーンは『長距離転移』で範囲外に逃れようかとしたが……ここで避けたら街に被害が及ぶ事を察して、迎撃に切り替えた。
しかし、相手は最上位魔術『隕石雨』普通にやっても今のドーンでは退ける事は出来ない……普通ならば。
2つの小祭壇を中心に円状にに波動が放たれた。波動の内側には凍てつく様な氷の世界が広がっており、天からは雹が降り始める。
「ほら!役に立ったでしょ?」
小祭壇の上で【環境改変】【天候改変】の2つのスキルを発動させながら元気よくそう言ってドーンの方を向いたのは、ドーンに無理を言って結局この戦闘に参加することになった金華だった。
「そうだな。本当に気を付けてくれよ」
【環境改変】【天候改変】の影響が『隕石雨』に達すると、目に見えて勢いが減少し、縮小して行き…そしてドーンに到達する前に消滅し始めた。【環境改変】【天候改変】によって領域内は氷属性の強度が150%、さらに2つの小祭壇とカコさんの踊りの効果で200%まで上昇している、すると反対属性である火属性は強度は0%になって、存在を維持出来なくなって消滅する、火属性を持つものは例外無く。
大祭壇に展開されている魔術を攻撃魔術の『裂孔』からデバフ魔術の『呪詛』に変更。
『呪詛』命中じ、対象が呪い受容状態でなかった場合、対象を〈呪い〉状態にする。〈呪い〉状態の時全ての被ダメージが倍に。
「これで、反撃を…」
るしと戦い続けるニクに狙いを定めて発射…しようとした次の瞬間、ニクを中心に玉虫色のエリアが凄まじい勢いで広がって…そこから無尽蔵に生成される木の根っこのようなものが次々とるしに遅いかった。その猛攻は凄まじく…フリーになったニクがこっちを見ている。
やっぱりフラグだったか…何て呟く暇もなく、移動迷宮を覆うように立体魔法陣が瞬時に組み合があり、【環境改変】と【天候改変】による影響以上に、周囲が凍てつき、氷付き始める。【環境改変】と【天候改変】の影響は範囲内の全てが対象…敵による攻撃も当然適切な属性であれば、強化される。
古代聖浄竜を【命の生成】で作り出し、あらゆる魔力的要因を持つ対象を無効化させる咆哮をあげさせる。当然自分が使っている祭壇系も効果を失ってしまうが、あのまま攻撃に晒され続けるよりは……
良い。
そう思った次の瞬間!雪雲が雷雲へと返事無数雷が迷宮に降り注ぐ!その速度は圧倒的で、金華は再展開に間に合わない……いや、そもそも……死んで……る?
そう認識した瞬間、心の内にどす黒い炎が点ったのを感じた。激情のままに叫び散らかし、ニクに報復攻撃を食らわせてやらなければ気がすまない!!
しかし、しかし…残念かな、二人のレベル差、実力差は圧倒的だった。
転移を使用して雷撃の範囲外に逃れたドーンは、大祭壇を使用して水属性の最上位魔術の1つ、『海底都市』を発動した。祭壇の前方を半円状に1キロメールの範囲に効果を及ぼす魔術は…… 水属性の最上位魔術であるその力を見せつけるように…ほぼ一瞬で範囲内の全てを海の底に沈めて見せた。突如と生成された深海用の専用装備でも無ければ決して生き残っることので着ない空間であり…こんな陸地で使用したらい生き残っれる者はいないだろう……普通なら。
ニクと一緒に海の水底に強制的に沈めてしまったるしさんの事を思い出すまもなく、海底から無数の攻撃が飛来する。土属性魔術『コアパニッシャー』火属性魔術『スラストノバ』風属性魔術『ダウンバースト』そして水属性魔術『ウォーターストラッチャー』……どれも最上位クラスの魔術であり、展開型、設置型の魔術ではないため古代聖浄竜では殆ど消すことはできない。当然中小祭壇で発動出来る魔術では打ち消すこが出来ないし、儀式祭壇は『海底都市』の維持に使用されている。『転移』による回避は、可能だろうが……いや、この後に及んで街の心配なんてしている場合では無いことを。
『長距離転移』よる離脱を初めてようとして……
「【反射】」
その直前に頼もしい声が響いた。




