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神秘のベールと旅の足跡  作者: 裏虞露
商人と月影祭
119/127

【114】エルフ救出作戦

「お待たせ致しました。こちらグレートホーンのポトフです。ごゆっくりどうぞ」


「ああ、ありがとう」


料理を届け、頭を下げて去っていくウェイター礼を言いい、配膳された料理の方に目を向ける。配膳された料理はどれも贅を凝らしたもので、最初の内は戸惑いこそあったものの、1週間近くこの宿で過ごしていればもはや慣れたものだった。


視線をあげれば向いの席に座る黒蓮は、少し機嫌が悪そうな表情ではあるものの、何か気になる事があるのかチラチラと視線を彷徨わせて周囲を気にしている。隣に座る金華は何時ものように快活な笑を浮かべながら、並べられた料理を見ているが…何時もとは違ってその腕は自分に絡み付いて来ている。


「それじゃ朝…ブランチを食べよう」


「そうだね!」


少しギコチナイような…今までとは違う雰囲気の中での食事だったけど、料理は今まで通り美味しかった。



「それじゃ、これからどうするのか話し合いましょう?」


ブランチを終えて、宿の部屋に戻った自分達は今後の事に着いて話し合う為に、黒蓮手動の元部屋に集まっていた。大きな依頼を終えて、差し迫った目標も無いから今後の方針を決める為に話し合いの場を設けるのは良い事だ、いい事なんだけど……


「なんで二人とも俺の左右に居るんだ?」


こういう時、何時もならば隣の隻に座っていた金華はもちろん、向かいの席に座っていたはずの黒蓮も今回は自分に寄り添うようにピッタリと横に座っている。


「だめ?」


金華が可愛らしく小首を傾げて上目遣いで言う。…そういうのってずるいと思う。


「もちろんいい、大歓迎だ。」


「良かった♪お姉ちゃんも良かったね」


「……」


ーーーぎゅむっ


黒蓮は何も言わずに、しかし恥ずかしそうに頬を赤らめ俯きながらも、大きな尻尾も使って強く抱き着いてくる。


黒蓮の事だから、悲しけどもう少し拒絶されるかな〜って思っていたけれど、この様子をみる思ったよりも大分早く許してくれたようだ。自分が態度をはっきりさせたのが良かったのだろうか?それともさっきの感じだど金華が説得してくれた…のか?

どっちにしても好きな相手からあんに好意を示されるのはとっても嬉しい。


「ありがとう黒蓮」


「もう…そんな、ン゛ン゛。それよりも…今後の事を話し合いましょう?とりあえずドーン、これからは貴方が私達のリーダーをやりなさい」


「え、いや…俺なんかより黒蓮の方が向いてると思うんだが…」


「私もドーンがリーダーの方がいいと思う!」


「金華まで…」


「私も金華も…その、ドーンのものになったのよ?それで…私達のどっちかがリーダーって言うのは良くないと思うの。ドーンが私達に優劣を付けたいなら話は別だけど……」


「うっ…拝命させていただきます」


「そう、それは良かったわ」


自分がリーダーになる事を受け入れる宣言をすると。黒蓮がほっとアンドした様子で息を着いて、力を抜いて寄りかかって来たのでそっと背中に腕を回して体を支える。


「黒蓮?」


「ごめんなさい、ほっとしたら力が抜けて…ふぅ。それで、これからどうするのかしらリーダー?」


「そう、そうだな…とりあえずこの街でやるべき事は終わっている。だから〈運命の縁糸(えんし)〉にしたがってユグドラシルのメンバーを探す旅を再開するのが良いと思うだけど、どうだろうか?」


「いいんじゃないかしら?この街の名物とかは祭りであらかた見たでしょうし、依頼も無いものね」


「私はもう少しこの街でゆっくりした方がいいと思う!祭りが終わったばかりだし、絶対道で人がごった返しててゆっくり旅か出来ないと思うの!」


以外にも金華から反対意見が出た事に、驚いたけど。理由を聞いてみれば至極真っ当な意見だ。確かに依頼主であるるしさんから急がなくていいとは言われているし、わざわざ混雑している時に行く必要は…無いはずだ。ルドさんから貰った報酬金はかなりの物だし、このまま宿を変えなくても1ヶ月ぐらいは余裕で借り続けられるし。


「それは…一理ある。」


「でしょ!それじゃ…1週間ぐらいヤろ♡」


「へ?」


自分同意した瞬間、金華はとても嬉しそうに、誘うような目で…発情したような顔つきで自分の手を引いた。


慌てて自分を挟んで金華の反対側に座る黒蓮の方に目をやると、そこには狐耳の先っぽまで真っ赤になった黒蓮がいて…恥ずかしそうに下を向いてこそいるけど、金華よりやばそうだ。


「昨日も今朝も順番だったからね!今度は一緒だよ!」


「今度は…簡単には負けないから」


ーーーゴクリ


果たして息を飲んだのは誰だったのか……


ーーーコンコン


しかして、幸か不幸か直後に鳴った扉をノックする音によって淫らな宴は静止される事になった。


「だ、誰か来ているから…」


ドーンがそう言って金華と黒蓮の二人に手を離すように促すと、二人とも渋々といった様子ではあるものの、このままおっ始めるのは色々な意味で不味いというのは、発情した頭でも理解出来たのかドーンから手を離した。


「はい、どちら様でしょうか?」


ノックされたドアを開けると、そこにはこの宿屋の制服を来た人が綺麗な姿勢でたっていた。


「宿のものです。ルド様という方がお客様を尋ねておいでです、いかが致しましょうか?」


ルドさんが来ている?護衛の依頼は…一応ちゃんと完了したはずだし、宿代は追加分を自分達で払ったから泊まり続けていても問題無いはず……となると、新しく何か依頼したい事でもあるのだろうか?


「直ぐに向かうので少し待っていてくださいとお伝えください。」


「かしこまりました。」


丁寧なお辞儀をして去って行く従業員を見送って。振り返ると、さっきよりも機嫌が悪そうな二人が…


「あ〜えっと、直ぐに戻って来れると思うから……」


「はぁ〜大切なクライアントだもんね。準備して待ってるから。早く戻って来てね?」


「ありがとう。出来るだけ早く戻って来るよ」



「昨夜はお楽しみでしたね?」


宿のロービーで優雅にコーヒーとケーキを食べながら待っていたルドさんの、第一声がそれだった。


「……ルドさんがそう言う下世話な話をするとは思いませんでした」


「これは失敬、こういう()()()は、とても大切だと思いまして。不愉快な思いをされたなら謝罪致します」


「…まぁいいです、気持ちは…分からなくはないですし」


「ありがとうごさいます。」


「それで…わざわざ自分達を尋ねて来た理由を尋ねてもよろしいですか?」


「ええ、もちろん。実は貴方たちにしか頼めない依頼がありまして。カコと一緒にステージに上がっていたエルフ、覚えていらっしゃいますか?」


「エルフ?」


カコさんと一緒にステージに上がって演奏していた人達がいたのは、見ていたけれど……


「すみません、あんまり……」


「まぁカコと違って紹介した訳では無いので仕方がないですね。横笛を吹いていた子がエルフなのですが…どうも彼女故郷であるエルフの里の様子がおかしくてですね。様子を見に行った彼女が二日たっても戻って来ないのです。」


「そうなんですか?」


「もちろん、向こうで何事もなく滞在している可能性もありますが…様子を見に行かせた子飼いの者達が一人も帰って来ていないので…エルフの里で何かあったのは間違いないかと」


「それは、確かに問題がありそうですね。」


「はい、そこで抜きん出て高い実力を持つ貴方たち、旅の軌跡団に依頼したいのです。

前金で金貨3枚、何があったのかの情報で金貨10枚、先遣隊の回収で一人あたり銀貨50枚、件のエルフ…ミホの救出で金貨20枚。もし問題を解決出来たなら最終的にな報酬額を倍にしましょう。いかがでしょうか?」


「……随分と大盤振る舞いですね」


「えぇ、エルフの里との交流は、この街で権威を持つようになった大きな要因ですからね、それが滞ると少し面倒な事になるのです。」


「そうなんですね」


「えぇ、ちなみに一番大切なのミホの救出ですので、そこら辺はよろしくお願いしますしますね?」


「まだ受けるとは言ってないんですけど…」


「受けてくださらないのですが?正直この件で頼りになるのは貴方達しかいないのです。私は…ご存じの通り商人系のクラスと種族です、もちろんそこら辺の人達よりも強い自信がありますが…今回はそれでは足りない可能性があります。」


「そんな…危険な依頼を受けると思っているんですか?」


「もちろん、貴方たちに受けるメリットが低い事は理解していますが…私もカコも同行致しますし、今後の取引でも特別優遇させていただきますのでどうか…」


ルドさんは悲痛な面持ちのまま、深々と頭をさげた。正直、依頼を受けてあげたい気持ちはある、本人も同行すると言っている辺り本気度が伝わってくる……まぁそれだけ難易度が高い事を示しているだろうけど……


「ルドさんにそこまで言わせるとは。エルフの里で…何があった、いえ、何があったと思われるのですが?」


「《創世機》……の反応がエルフの里がある森の奥であったのです」


「《創世機》!?」


「えぇ、はい。一応私も《創世機》を保有していますのでそこの所は心配なさらなくて大丈夫です。」


「《創世機》を持っているのですが?」


「えぇ、ドーンさんも持っているでしょう?」


「い、一応」


なんで自分が《創世機》を持っているのをしっているんだ?るしさんから聞いた?連絡手段が無いはずだしそれはない。《創世機》の反応が云々言っていたし、それと同じ原理で自分が保有しているのがわかったのか?でも厳密には《創世機》を保有しているのは本体である迷宮の中にいるフリョンだ、そして迷宮はるしさんがいる場所から動かしていない……分からないな。


ゲーム時代は《創世機》と関わる事なんて無かったし、殆ど何も知らないんだよな。


「期待してもらっている所悪いのですが、私達が保有している《創世機》は少し遠方にありまして、こっちに持っている来るとなると少々じかんが…」


「それは困りましたね。とは言え、時間を遅らせるのは…救出が本懐ですので、なるべく時間をかけたくありません。具体的にどれぐらいかかる見込みですから?」


「そう…ですね。一日か二日あれば持っている事は出来るかと…ただ、その上で戦闘に使えるタイプではありません」


「そう…ですか。……………分かりました、それならばこうしましょう。明日の朝イチでエルフの里に私達は出発します。ドーンさんは念のため《創世機》を持ってきてください。もし、エルフ里との連絡が取れなくなった原因に《創世機》が関わっていた場合、依頼の成否に関わらず特別報酬を差し上げます。これで如何でしょうか?」


「ン〜」


「まだ足りませんか?」


「いや、そういう訳じゃ無いんですけど……はぁ、分かりました、受けましょう。」


ルドさんは《創世機》持ちと戦う可能性が高いと踏んでいるみたいだし、そんな所に自分みたいな一般プレイヤーで出張って何が出来るんだ?とか考えちゃうけど、話が本当にならルドさんも《創世機》を保有している……そういう面でも出来るだけ仲良くしたい。


それと、とても大事な事なんだけどルドさんと話し始めてらそこそこ時間がたってしまっている。これは、つまり直ぐに戻ると伝えた二人嘘を着いてしまっていることになるわけで……手遅れかもしれないけど出来るだけ早く戻りたい。


報酬はまだ釣り上げられそうな感じはするけど、ここらで引き上げよう。


「本当にですか!ありがとうごさいます」


「カコさんのライブは素晴らしいものでしたし、何よりルドさんからの依頼ですからね。それに勝算がおありのようですから」


本当に嬉しかったのか、椅子から立ち上がって深々と頭を下げるルドさんに狼狽えながらも、頭をあげるように促したが、ルドさんが頭をあげることは無かった。


「ルドさん…」


「明日の明朝に使いの物を出しますので、ご準備くだはい。もちろんこの依頼は傭兵ギルドを通しての正式なものですので、ご安心ください。」


「分かりました。」


この後は互いに他愛のない話を交えながら情報交換をし、美味しコーヒーとケーキに舌鼓をうった。そしてやるべき事を終えて、自分の部屋に戻ると……


「「ドーン!!」」


「おっと!?」


扉を開けた途端、目を怪しく輝かせ、発情しすぎている事が丸わかりのすっぽんぽんな格好をした金華と黒蓮の姿があって……

必要な事だったとはいえ、発情した二人を放置して長話をしてしまった代償は、安くはなさそうだ。もちろん2人にこれだげ求められていると言うのはとてもしあわせで……まぁそれでも大変なことには変わりない。今の所莫大なステータス差もあって余裕に振る舞えているけど、今後はそうもいかないだろうけどぉ♡?


左右を二人に挟まれて通路を進み、扉が開けられた瞬間、部屋の中かとんでもがなく淫乱な…情欲を誘う匂いと雰囲気が流れ込んで来ている♡


く、身体に力が入らない。


「【環境改変】と【天候改変】を使ってね♡本に乗ってた淫魔窟っていう場所を再現してみたんだ!いい感じでしょ❤️❤️」


「そう、だな」


「フー❤️フー❤️!!」


金華の何時ものように無邪気な笑顔がとても卑猥…エロティックに思えて、とっさ反対側にいる黒蓮の方に目をやったけど、そこに居たのは完全に発情しきった獣で、やっと手に入った獲物にかじりつかないようにするので精一杯な様子だった。


(これ、明日の朝までに終わるのか?)


仕事を考えるなら拒絶するべきなんだろうけど…流石にここまでお膳立てされたもの断ったりしたら、二人と自分の間に間違いなく大きな溝が出来てしまうだろう。それは絶対に避けなくては行けない。仕事よりも二人と仲良くなる、なり続ける事の方が今の自分にとっては大切だから。


俺が朝まで理性を保っていればいい話…いや、途中で切り上げたとなると心象は悪くなるし…やっぱりここはシミュレーション直伝の……


「ドーン♡早く♡早く♡」


「わ、わかっている」


「キャッ❤️」


「んぐっ❤️」


「それじゃ始めよう」


二人の腰をしっかりと掴むと、可愛らしい嬌声が漏れ出て、より一層しなだれかかってきた二人の体を支えながら、淫魔窟とかした部屋の中に足を踏み入れたのだった。

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