↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
亡命者の兄妹、吸血鬼を刈る。  作者: 剣持真尋


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

97/98

愛すべき

「お前たち。よく頑張ったな」ヘイムダルは両手を広げて腰に抱きつくオリアナとエレノアの頭を優しく撫でて、首尾を褒めた。「ジョアンナが壊れたのは惜しいが、替えの女中頭などいくらでも作れる。それよりも、先月お前たちを不死者《リッチ》にしておいて良かった。オリアナ。戦闘においては危機感を忘れないままで臨むことを覚えておきなさい」

「はい、お父様」オリアナが頬ずりしながら頷いた。

 姉ばかりに構うと妹がむくれるので右手側も褒めておく。「エレノア。この子の復活を手伝ってあげて偉かったな。瘴気《ミアズマ》も上手くなったんじゃないか?」

「はい、お父様」エレノアが頬ずりしながら微笑んだ。「でも、私の催眠魔法《スリープ》はあまり効き目がなかったわ」

「癒し手の巫女だ。状態魔法に耐性があっても不思議ではない。それでも魔牛《オクソン》のステーキに含ませた眠り粉とで丸一日意識を奪えたのだ。これで抵抗されずに彼女をヘランハルメ様へ献上できる」

「心配だわ。港町に着く前に起きてしまわないかしら」と、オリアナ。

「大丈夫だ。今から三人で巫女をヤスミンへ運ぶぞ。浮遊魔法《フロート》なら朝方には彼の許へ馳せ参じることができる」

「お兄様はきちんとお役目を果たせたのかしら」と、エレノア。

「先刻、お師匠様から念話《テレパシー》で連絡があった。カイルは見事に生涯を捧げた。私の恩人が信仰する女神様に」そこでヘイムダルは、愛娘たちに訊く。「悲しいかい?」

「いいえ、平気よ。そうよね、リア?」

「ええ、寂しくなんかないわ。ノラ。だって新しい、遊び相手《おにいさま》ができたから」

 カイル。本当に、本当に良くやった。私はお前を、家族で一番愛していたのだ。

 ヘイムダルは双子の娘を伴って、そしてロベリア・シドニィ・ラッセルを宙に浮かばせて、夜空へと屋敷を飛び発った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。