真夜中の玩具
ロベリアからの魔力供給が夜は途絶えるため、身体が重くなる。ミンツェとの情事はかなり体力を消耗したが、翌朝彼の肉体を支えるときに、ロベリアは何もいわずに治癒を施してくれた。
腹の中に魔力が蓄えられている。今宵のルークは活力に満ちていた。魔女に奪われた生命力を、消化された魔牛の肉体に含まれる良質な栄養とエネルギーが補い、心地よく眠ることができそうだった。目を閉じて曖昧な心象を眺めていた。
部屋の中で物音が聞こえたとき、ミンツェを意識した。だが、彼女はヤスミンに行って離れている。ルークは覚醒して、不調に気がついた。起き上がることができない。剣を手繰り寄せることさえ不可能で、肉体の一部、首から下の上半身が動かなくなっていると理解する。身体が弱り果てたわけではない。
「上出来な効き目ねっ。不随だわ」
「でも腰から下は自由だわ。暴れたりしないかしら」
「反応できるように余地を残したのだから、抑えつけるしかないわよ」
「足が細いから私たちの力にも抵抗できなそうね」
「兄さんと感触が違うのかしら。約束通り私から試させてもらうわね」
喋る双子に、即座にロベリアの状況を恐れる。毒か薬を盛られたか、術を仕掛けられた。
上体が麻痺したルークは、抵抗を諦めた。足は動くが、下穿きを引き下ろされても青髪のオリアナの美貌を蹴飛ばすことはしなかった。隣で赤毛のエレノアがじっと見ている。姉の顎を砕いたところで、妹が報復するだろう。奇跡が起きて二人を仕留めることが出来ても、ヘイムダル邸の人間全てが結託している場合、他の者が動くおそれがある。危険なのは自分ではなく、妹のロベリアだ。
「ちょっと痩せすぎよね」オリアナが呟いた。
エレノアは姉が衣服を脱ぐのを手伝っている。「でも、兄様と同じくらい立派だわ……」
服を剥かれて、ルークは身体を弄ばれる。裸で跨ったオリアナが事を終えると、エレノアと交代した。
長い、長い屈辱と快楽に耐えてようやく、双子はリネンの下穿きで下半身を包んだ。だがルークは裸のままだ。
「終わったなら、服を着せてくれないか」キスをされたときに、眼球と口は自由に動かせることを確かめていた。
「ルーク様は裸で楽にしていていいわよ」欠伸をするオリアナの服から鍵が取り出された。「朝食を取らなければならないの。良い子に待っていてね」
部屋を出ていった姉を追う前にエレノアはキスしてきた。「後で身体を拭いてあげる。食事も丁寧に口に運ぶわ。それが終わったら、ステーキに仕込んだ麻痺が解ける前に、深い催眠魔法をかけてあげる。長い幽閉を苦しまないように」
「僕を動けなくしたのは、肉欲のためだけではない?」ルークは双子の片割れに目的を問い質す。「どのくらいの間、眠らされる?」
エレノアは微笑む。「あなたの妹が女神の依代になるまで」




