第13話 人生観?
「兄さん約束ですから、私とユリウスを連れて隣の国に行って下さい」
「……隣の国に?」
私はユリウスが魔女の呪いで魔物にされた話をした。
「つまりその男は魔物なのか?」
「リッチと言うスケルトンの魔物です」
アルバートは何故かほっとした顔をした。
「だが、今すぐ隣の国に行く訳にはいかない。伯爵家の負っている仕事も、勇者としてやっている仕事もある。まず、国王に許可を取ろう」
ところが話が大きくなったのだ。
勇者が魔女を倒しに行くような、話になってしまったのだ。
隣の国の魔女の評判はこの国では酷いものだった。
突然現れた魔女は隣の国の王族を全て処刑し、今は王城で暮らしているらしい。
近隣の国との国交は断絶しており、向こうからこちらに来る事も無ければ、こちらから魔女の国に行った者もいないらしい。
魔女は自分の好きなように国を動かし、気に入らない者は全て処刑してしまう。
そんな国に勇者である兄さんが行きたいのだと国王に言ったのだ。
「ごめんなさい。兄さん」
私は話を聞いて自分の浅慮を嘆いた。
兄さんが危険な目に遇うかもしれない、それでも私はユリウスの為に隣の国に行きたかった。
兄さんは私の頭を撫でた。
「スカーレットの為なら、俺は特にそこで死んでも構わない」
こんなところも兄妹でそっくりだ。
何ですぐ死んでもいいとか言ってしまうのか……。
私は自分の事を棚にあげて、兄さんの人生観を心配した。




