情勢
先行きが見えない・・・
情勢
急な話になるがこの世界には大まかに分けて三つの勢力がある。第一にもちろんこのリンクルード王国。魔術に優れた人物を多く輩出している。リンクルードは大陸の東部に位置する大国で今の広大な領土を確立したのは今から230年ほど前になる。そのとき起こった戦争で乱立していた小国家群を一気に併合していったのだ。そして大陸中央にある国はギルド連合である。その名のとおりギルドの長であるギルドマスターが治めている。そして今回話題になるのがリンクルードと連合を挟んで向かい合う大国、ブラウ連邦である。この国は傭兵国家として名をはせたブラウ傭兵団が団長を中心に国を立て、その実力を背景に大陸西部にあった多数の小国家群を連邦制の一部に組み込み国家共同体としてその機能を果たしている。そして今年第12代連邦代表アインスベール3世が急死。跡継ぎのいなかった代表の後継をめぐり連邦の中では不穏な空気が流れている。
「それにしても連邦が崩壊したらどうなるんでしょうかね?」
私は紅茶を飲みながら隣にいる魔術師長に話しかけた。
「ほぼ確実に戦争になるだろうな。まあ俺たちのところに飛び火しないでほしいけどな」
「私たちが直接巻き込まれることなんて王国が首を突っ込むかギルド連合が戦争に巻き込まれてつぶれたときですからね」
「そうそう。そのときは大陸で二百年以上なかった大戦争だ」
「ありえませんよね」
「・・・とこのときのエルミラはこの先起きることを知る由も・・・ぐへ!!」
魔力強化した拳を鳩尾に決めてとりあえず黙らせた。
「縁起でもないことを言わないでください!」
「まあ、落ち着けよ。冗談でこんなこと話せるのは平和の証拠なんだからよ。なんとかなるだろ」
「それもそうですね」
ああ、紅茶がおいしい。
その後第十三代代表にアインスベール3世の甥がエンファネルト2世として即位し事態は小康状態に入ったのだった。
「ほらな、なんとかなっただろ?」
「うるさいです。魔術師長」




