宮廷魔術師の日常
制作時間三十分(ストーリ思考時間込み)
宮廷魔術師の日常
ここはエルトラーズ。この世界で三本の指に入る大都市であり、リンクルード王国の王都である。あれから一週間ほどして正式に宮廷魔術師になった。リンクルードでは宮廷魔術師には個人の家、しかも研究室付きが支給される。そんな私たちの仕事は明確に決まった物はない。ただ朝早くにある宮殿での集会にいき、大臣や官吏達と一緒に国王の訓示を受け、あとは自由・・・といっても夕暮れになって帰宅許可の出る時間までは宮殿内にいなければならない。その間はだいたいの宮廷魔術師は一応割り当てられている駄弁り塔、もとい魔術塔(正式な仕事場)で待機してお茶を飲んだり、魔術談義に花咲かせたりしている。
「エルミラちゃん。この捕縛魔方陣なんだけど、もう少し魔力消費を抑えられないかな~?」
そう質問してきたのは、私の五年先輩のフェリアさんである。この人は今まで一番年下だったため、年下が入ってきて嬉しいらしくよく私のことを気にかけてくれる。しかもこの人は魔術師としても優秀で努力家であるので、こうして年下の私にも意見を求めてくる。
「これ以上効率を上げた魔方陣を書くんだったらどうしても威力が落ちてしまうんじゃないでしょうか?効果を落とさないのであればこれが最善だと思いますよ」
「う~ん。やっぱりそうだよね・・・最近下着泥が出るから設置しとこうと思ったんだけど・・・・」
「!?フェリアさん!!ダメです!!この捕縛魔方陣のベースにしてるの対亜人用ですよ!こんなので縛ったら全身骨折ですよ?」
「あ!本当だ~。じゃあ、もっと削っても大丈夫だったんだね」
「その前にこの魔方陣教えたの誰ですか?危うくいくら下着泥棒といっても重傷者が出るところでしたよ」
「う~ん?誰だっけ?忘れちゃった」
はぁ・・・この人は。どうもどこか抜けてるらしい。
「皆さん!!フェリアさんにこの捕縛魔方陣を渡したのは誰ですか!!」
こうして犯人探しが始まった。
「私じゃあないよ?」
「俺じゃないよ?」
「お前じゃないのか?」
「なんで私なのよ!!!」
などと一時間もこの犯人探しは続いた。その時だった。
「お前ら何そんなに騒いでるんだ?」
その人は入ってくると私が写し取っておいた魔方陣を見て言った。
「この前渡した捕縛魔方陣か。使ったか?」
などとへらへら笑っている。このとき今まで疑心暗鬼で犯人探しをしていた。みんなと私の思いは同じだった。
「「「「「「「「あんた(あなたです)かーーーーーーー!!!!!!」」」」」」」
その後ボコボコになって発見されたこの男こそが宮廷魔術師内最大の要注意人物、宮廷魔術師長のアンドリュー・ベルスバッハである。私の日常のストレスは八割がこの人が原因で間違いない。一日を振り返ってそう思った。




