第三話 餃子×小説
私は今、いつものようにプロジェクターで映画を見ている。
日付が変わった。
あと十五分待とう。
日付が変わった瞬間は、アクセス解析の反映がおかしいことがあるからな。
十五分。
スマホを見る。
25PV。
…………。
更新。
25PV...
明日はもっといい日になるといいね。
ヘケ。
…………。
ヘケ。
なるほど。
なかなか人生とは思うようにいかない。
私は台所に向かう。
フライパンに油を引き、冷凍庫を開ける。
冷凍餃子を取り出す。
一袋。
全部焼こう。
フライパンが温まるまでに椅子を持ってくる。
座りながらフライパンを回す。
スマホを見る。
25PV。
…………。
そうだ。
あまりにもショッキングな出来事で、ep別を見るのを忘れていた。
見る。
ふむ。
…………。
フライパンに戻る。
私はカリッとした餃子が好きなので、水は入れない。
冷凍餃子から羽になる部分が溶け出す。
溶けてきたら、餃子をコロコロ転がす。
全面にまとわせる。
そう。
全体をカリカリにしたい。
まとわりついたら、一面ずつ焼く。
簡易的な揚げ餃子のようになる。
そして仕上げである。
火を止める。
めんつゆをほんの少しだけフライパンに流し込み、素早く餃子を返す。
ここは急がなくてはいけない。
少しでも遅れると、一瞬で焦げる。
完成。
私好みの深夜餃子。
皿はいらない。
フライパンのままでいい。
酢を用意する。
胡椒を探す。
ない。
ホワイトペッパーでいいか。
食べる。
うまい。
カリカリだ。
全面カリカリの、簡易揚げ餃子。
家の目の前が銀だこだったら、間違いなく銀だこの方を食べたい。
…………。
まあいい。
私好みの味だ。
自分が食べるのだから、自分が美味しければそれでいい。
…………。
そう。
私好みの物語。
自分が読むなら面白い物語。
…………。
スマホを見る。
25PV。
…………。
私が面白いだけの物語。
餃子を一つ食べる。
うまい。
…………。
明日は。
作り方通りに餃子を焼いてみようかな。
ヘケ。




