第7章 07
アルジャーとの一件を受けて、生徒会は直ちに適切な対策を講じた。教員による定期的な巡回や、同様の事態がエスカレートするのを防ぐための生徒への対応訓練などだ。
現在、生徒会の上級生たちは来週の新入生ティーパーティーの準備で大忙しだ。私たち新入生は指示通りに手伝っている。私の任務はティーパーティー会場の持ち物チェックだったので、会場へ向かった。中庭の一部は封鎖されており、担当者以外は立ち入りが許されていなかった。
私は上級生から渡されたリストを見ながら、東屋のような大理石の休憩所を目指して歩き出した。途中、他の生徒会メンバーたちとすれ違った。彼らもそれぞれ別の仕事に追われていた。
あれは…彼だ!
歩いていると、反対方向から副会長のハンス・コリンが近づいてくるのが見えた。彼は私に気づき、眼鏡を直し、逃げ場のない私の方へ足早に歩み寄ってきた。
前回、部活への誘いを断った後も、先輩は諦めていないようだった。その目には燃えるような欲望がはっきりと表れていて、生徒会ではいつも言い訳をして彼を避けていた。
「エヴァンさん!」
先輩が駆け寄ってきて声をかけた。眼鏡が光り輝いていて、さらに威圧感が増した。
それを見て、私は慌てて先手を打った。
「す、すみません、まだ確認しなければならないことがたくさんあるので、失礼します!」
そして、慌てて踵を返して走り去ろうとしたが、後ろから声が聞こえた。
「心配するな!部長の許可さえあれば、いくつかの部活に入るのは問題ない!」
つまり、淑女同好会に入ったとしても、君の部活にも入れるってことか?!
私は聞こえないふりをして、この厄介な場所から一刻も早く逃げ出した。
それでも、入りたくない!
心の中で叫んだ。
ハァハァ…ハァハァ…ハァハァ…
思ったより遠くまで走ってしまったので、立ち止まった。幸いにも寄りかかれる木があったので、その木につかまって息を整えた。
ああ…先輩がこんなにしつこいとは思わなかった。どうしよう?
いつまでも逃げ回っているわけにはいかない。ちゃんと説明しないといけないよね?
…でも、彼の状況を考えると…本当に断れるだろうか?
解決策を必死に考えていると、前方の花壇に見覚えのある人影が見えた。
青い髪…彼しかいないと思う!
デュークも生徒会活動で来ているに違いない。
デュークに近づき、近況を尋ねようとしたその時、一人の女子生徒が辺りを見回しながら入ってきて、うっかりデュークにぶつかってしまった。
ああ、彼女だ!
私は慌てて後ずさりし、木の幹の陰に隠れてこっそり様子を伺った。
デュークにぶつかったリリスは、彼の驚いた表情を見て一瞬ためらった。
「…」
デュークが黙って彼女を見つめ、まるで彼女が口を開くのを待っているかのようにしているのを見て、
一瞬ためらっていたリリスは、何かを悟ったかのように、慌てて謝罪した。
「申し訳ございません、フォンス様!」
「…」
「本当に、本当に申し訳ございません、フォンス様!」
「…」
リリスは謝罪を続け、デュークは黙って彼女を見つめていた。
デュークが何の反応も示さないため、謝罪劇は延々と繰り返された。
まるで…ゲームのシーンを再現しているかのようだった。
ゲームの一場面が思い出された――
〈彼の琥珀色の瞳は私を見つめていたが、なぜか、ある種の虚無感、ある種の荒涼とした雰囲気が漂っていた。〉
〈彼の虚無感に引き込まれ、目を離すことができなかった。〉
〈彼は本当にそんなに孤独な人だったのだろうか?〉
〈思わず驚きを隠せなかった。〉
〈突然、氷の風のように身を切るような冷気が彼を包み込んだ。その時になって初めて、彼に謝っていなかったことに気づいた。〉
〈「申し訳ございません、フォンス様!」〉
〈慌てて謝り、何度も謝り、頭を下げて、一縷の望みを託した。〉
〈何しろ彼は、現首相の息子、フォンス公爵、公爵の唯一の嫡男であり、王家の血を引く、この学園で二番目に偉大な人物なのだから。〉
〈いつの間にか、かすかな足音が聞こえた。〉ふと顔を上げると、フォンス卿はもういなくなっていた。
〈え?〉
〈許してくれたの?〉
〈彼の後ろ姿を見送りながら、様々な疑問が頭をよぎった。〉
中庭で迷子になったリリスは、花壇のそばでデュークにぶつかり、危うく転びそうになった。ようやく我に返った時、デュークは何も言わなかった。言葉にならない重圧に怯えたリリスは、必死に謝り続けた。謝り続けるうちに、デュークはただ立ち去り、呆然とするリリスだけが残された。
…今思えば、デュークはゲーム序盤では本当に冷酷だった。
思わず苦笑してしまった。
だからこそ、デュークのその後の温厚な変化が、私の心に深く刻み込まれているのだろう。
リリスがまだ謝っているのを見て、デュークは彼女をじっと見つめていた。
デ…デューク、もう十分じゃないの?
彼女たちの様子を見て、私は急にリリスが気の毒に思えた。彼女は何度も同じことを繰り返していた。
「…………………………もう十分。」
デュークが突然口を開き、単調な光景を破った。
えっ!
ゲームとは違う展開に驚いた。
リリスも動きを止め、デュークを見つめた。
「…………………………ここはあなたの居場所ではない。」
リリスはデュークをじっと見つめていた。おそらく彼の突然の発言に驚いたのだろう。
「…………………………」
デュークが沈黙すると、リリスはまるで雷に打たれたかのように飛び上がり、慌てて走り去った。
……え?
私は呆然として木の陰に隠れた。
……ゲームとは違う状況だ?
え?どうして?
考えてみた。デュークはゲームのように完全に沈黙していたわけではなかった。相変わらず口数は少なかったが、なんとか言葉を絞り出した。
もしかして、私がデュークの過去を変えたからだろうか?
アルジャーの状況から判断すると、アルジャーが半身をかがめていたため、私も少し状況を変えた。
…
もし本当にそうなら、本当にそれが原因かもしれない。
胸を押さえ、心臓がますます激しく鼓動するのを感じた。
この変化はアルジャーの変化よりもさらに大きい。
私の心にずっと潜んでいた影が、まるで光り輝いているようだった。




