第7章 03
魔女同好会から辛うじて脱出したばかりで、私はひどく精神的に参っていて、すっかり弱っていた。
…ああ、疲れた。
疲れ果てて、通りの向かいにある学生食堂が見えた途端、急に糖分補給がしたくなり、そこへ向かうことにした。
デザート…デザート…君が必要なんだ!
食堂へ向かう途中、心の中でデザートを叫び続けた。
こんな時は、甘いものが特効薬だ!
ようやく学生食堂に着いたものの、中に入ると、人混みと騒音の嵐に圧倒された。たちまち絶望感がこみ上げてきた。
なんて人が多いんだ!
夕食だから混雑は仕方ないのかもしれないが、切実に何かを必要としている私にとっては、イライラせずにはいられなかった。
はぁ…
学校は皆平等なので、私は従順に列に並んで食事をするしかなかった。
ここの食事は高級食材を使った、いわばエリート向けのものだった。
私の状況を考えると、寮に戻ってアンナたちに食事を持ってきてもらうこともできたはずだが…彼女たちに迷惑をかけたくなかったし、評判にも影響するかもしれない。
諦めて列に並んだが、周りの人たちは明らかにためらっている様子だった。
ああ…なんて憂鬱だろう。
「皆さん平等に扱っていますので、気にしないでください。」
「…はい。」私の前の学生はそう答えると、恥ずかしそうに黙ってうつむいた。
しばらくして、ようやく夕食の列の先頭にたどり着き、お腹がグーグー鳴った。予想通り、メインはデザートで、今日のデザートは定番のイチゴケーキだった。
上に乗ったイチゴを見て、気分が明るくなり、急いで席を探した。
「レティシアさん!」
アイリーンが突然私の前に現れ、殿下のテーブルへと案内してくれた。誰も座ろうとしないのを見て、ようやく席を見つけることができた。思わず苦笑いを浮かべた。
……そうね。
でも、どうして皆、偶然ここにいるの?
「ああ、訓練から戻ってきたところ。途中でデュークに偶然会ったので、一緒に来た。」
アルジャーがそう言い終えると、夕食の準備を始めた。皆、私より少し早く着いていたようだったが、私は全く気づかなかった。
殿下もアルジャーも、そしてアイリーンも、皆汗をかいていて、髪が少し湿っていた。
アイリーンまで訓練場に行っていたのね。意外だわ。
「……」
「偶然ですね。」
そう言って、私は夕食をテーブルに置き、アイリーンの隣に、向かい側には男子たちが座った。席に着き、夕食の準備を始めた。ふとアルジャーの夕食に目をやると、デザートがモンブランだった。他の皆は私と同じイチゴケーキなのに。驚いた私は、マナがモンブランはランダムに配られると言っていたのを思い出した。アルジェはラッキーだったんだ!
「アルジャー、君…どうしてこのモンブランを手に入れたの!」
「え?」
彼は自分がどれほど幸運か全く分かっていないようだった。
「君は甘いものが苦手だから、いらないなら私にちょうだい!ありがとう!」
君にあげるのはもったいない!
そう言って、私は彼のモンブランを受け取った。
「ちょっと待って、今日はすごく甘いものが食べたかったんだ!」
私がモンブランを受け取ると、アルジャーは抗議した。
この人、普段はあんなもの食べないのに。一体どうしたんだろう?
「ほら、私のイチゴケーキをどうぞ。どうせあなたにとっては全部甘いんでしょ。」
私はイチゴケーキを彼の手に押し付け、モンブランを食べ始めた。
んー、甘すぎない栗のピューレが入っていて、口の中に濃厚な栗の香りが広がる。美味しい!
「えっ!?今日はどうしたんだ!?生徒会室で姿を消したと思ったら、突然現れで、わけがわからない。」アルジャーは頭を掻きながら叫んだ。
「レディには秘密がたくさんあるのよ。」
私はモンブランを味わい続けた。
「レティシア嬢、どうぞ。」
殿下は微笑み、ご自身のイチゴケーキを私に手渡した。
少し驚きながら、「…ありがとうございます。」と言った。
驚いたものの、差し出されたデザートを断る理由はないので、受け取ってすぐに食べ始めた。
ああ、なんて美味しいの!体も心も浄化された気分!その後、みんながイチゴケーキを分けてくれた。アルジャーまで自分の分をくれて、全部受け取った。
…明日からダイエットしよう。
もう考える気力もなかった。
夕食を食べながらみんなと話していると、ジーンが急いで自分の分を取りに来たのに気づいた。席が見つからなくて少し迷っていたが、私たちの近くの空いている席を見つけて、友達と一緒に座り始めた。デザートにイチゴが乗っていたので、イチゴケーキに違いない。
…ジーンも忙しいみたいで、こんな時間に食事に来たんだから。
その時、殿下が突然静かに言った。「オリ・カタランだ。」
殿下の言葉を聞いて、私を含め、みんながそちらを見た。
カテランって…会計幹部の後任になる人ですか?
彼は私たちのクラスではなく、殿下のクラスにいたのかも。
「…カタランの隣の人はヴィト・ルイスです」とデュークが付け加えた。
えっ?
驚いてデュークを見た。まさか彼がジーンを知っているとは思わなかった。
…クラスメイトの名前は大体覚えているけれど、全部覚えるには時間がかかる。
デューク、そんなに早く覚えてるの?
「ヴィト・ルイス…仲が良いみたいだ。」
殿下はくすりと笑ったが、その言葉には何か裏があるような気がして、背筋に寒気が走った。
でも、おかしい。クラスも違うし、領地的に言えばカテラン家は東の方、ジーンの西の方からはかなり離れている。普通なら、交流する機会はほとんどないはずだ。
でも、もしかしたら学校に来てから共通の趣味で知り合ったのかもしれない?
「レティシア嬢、将来の会計幹部についてどうお考えですか?」と、殿下は突然尋ねられた。
皆が振り向いた。
えっ?!
私が食事に夢中で、殿下の意図を理解していない間に、突然テストが与えられた。
…こんな時に頭を悩ませないでください、殿下!
心の中で悪態をつきながら、ティーカップを手に取り、時間を稼ぐために数口飲んだ。
ああ…人生って、もう少しゆっくり進んでくれないものか。
ここ数日の様子からすると、生徒会のカタランは弟を連れて行けていないようだ。カタランの苛立った表情から察するに、何か問題に直面しているに違いない。
しかし今、カタランの弟はジーンととても仲良く食事をしている。これはどう考えても怪しい。
彼らが談笑している様子を見ながら、私は「殿下方が判断されたように、私は徳高く有能な人材を含めることを支持します」と言いました。
王子はいつもの笑顔を浮かべたまま私を見て、話を続けるように促しました。
殿下はこういうことには本当に遠慮がないですね…
私は笑顔を保とうと努め、贔屓をしないように、公平に物事を見ようとした。
「…しかし、もし不適切な行為があれば…話は別です。」
二人がどのように知り合ったのかは知らなかったが、今の状況から判断すると、カテランの弟は強制されたわけではないだろう。
「…ふむ、そうでないことを願います。」
殿下はそう言い終えると、何事もなかったかのように夕食を続けた。つまり、私の試験は合格だったということだ。
…ふう。
私は小さくため息をつき、再びジーンのほうを見た。
二人はまだ談笑していたが、殿下の質問のせいで、私は少し不安になった。




