第6章 07
授業後、みんな生徒会室へ向かいました。中に入ると、温かく迎えられました。中央には会長と、おそらく副会長と思われる方が座っており、その周りには数十人の役員らしきメンバーがいました。私たちと同じ新入生も数人いました。きっと私たちより先に入室したのでしょう。
ヒルダ会長は中央の机から優雅に立ち上がり、「ふふ、ようこそ!」と声をかけました。
生徒会室は教室2つ分以上の広さがありました。机の他に、ソファ、椅子、コーヒーテーブル、その他休憩スペースが設けられていました。奥には2つの扉がありましたが、用途は不明でした。
ヒルダ会長の優しい笑顔とは対照的に、隣に座っていた眼鏡をかけた、短髪で濃い緑色の髪の先輩は、厳粛で貴族的なお辞儀をして、「ハンス・コリン、現副会長です。はじめまして」と言いました。
コリン…確か、ヒルダ会長の領地に近い南部の伯爵領出身だったと思います。
私たちは自己紹介を済ませ、それぞれがこれから担当する役職の人たちと話しました。
殿下とデュークは生徒会長のヒルダと副会長のハンスと話していました。デュークは2年生で、副会長に就任することになったのですが、考えてみれば当然のことでした。アイリーンとアルジャーは活動部のメンバー、つまり生徒会の広報活動も担当する、いわば風紀委員の人たちと話していました。
「エヴァンさん~私は書記のデビー・グリムです~はじめまして~」
茶色の巻き毛のデビーはゆっくりと言葉を伸ばして話しましたが、とても親しみやすい雰囲気でした。彼女とはきっとうまくやっていけるだろう、と思いました。
私は微笑んで、「はじめまして、デビー先輩。」と答えました。
「エヴァンさんは頼りになりそうね~、よかった~」先輩は母親のような笑顔で答えた。
なんて眩しい!
これは…聖母マリアの輝き?!どうか、あなたを聖母先輩と呼ばせていただきます!
心の中で、私は先輩に密かにニックネームをつけた。
その後、私たちは今後の活動について話し合った。それは大体予想通りだった。放課後に全員集合し、先輩から割り当てられた仕事を手伝う。その後は自由時間で、他のクラブにも入ることができるが、クラブ部長の許可が必要で、生徒会活動が優先される。
クラブ活動…あまり興味ないな。図書館に行って恋愛小説を読んでいたい。
さらに、リリスの状態はしばらく観察して確認する必要があり、可能であれば私の死因も調査すべきなので、クラブ関連のことは今は一旦置いておこう。
あれ?よく考えてみると、やるべきことがたくさんある。
ともあれ、聖母先輩も仕事量は一度にそれほど多くはないと言っていたので、かなり自由な時間が取れそうだ。よかった!
聖母先輩との会話を終えようとしたその時、突然後ろから男性の声が私の名前を呼んだ。
「エヴァンさん。」
「はい?」
振り返ると、ハンス先輩がまだ真剣な表情で立っていた。
あれ?殿下方、もう話し合いは終わったの?
殿下方を見ると、まだヒルダ会長と話していた。
ハンス先輩は眼鏡を直し、「お兄様の様子はどう?」と尋ねた。
あれ?ハンス先輩と私の兄は知り合いなの?少し戸惑いながらも、私は「ええ、兄はいつも通り、自分の責任を果たすために最善を尽くしています」と答えた。兄は様々な口実をつけてお見合いを断り、両親を大いに悩ませているものの、エヴァン家の跡継ぎとしてのその他の責務を真摯に学んでいるので、私の言ったことは本当だ。
「それなら安心しました…以前お世話になったこと、本当に感謝しています」
先輩の笑顔に一瞬驚き、幻覚を見ているのかと思った。
えっ…兄って、実は後輩のことを結構気遣ってくれる人なの?
兄は以前生徒会に所属していたので、先輩が多少なりとも兄のことを知っているのは当然だろう。ただ、兄は学校のことはめったに話さないので、詳しいことは知らない。
「そうですか…兄も以前、先輩にお世話になったことがあり、妹として兄に代わって感謝申し上げます」
先輩は興奮気味に言った。「エヴァンさん、これは本当に恐縮です。そんなにかしこまる必要はありませんよ。」
彼の慌てた表情を見て、私は戸惑った。
え?ただ礼儀正しくしただけなのに、どうして先輩はそんなに興奮しているの?
「わ…わかった」と、私はまだ戸惑いながら答えた。
兄は過去に彼に具体的にどのような扱いをしていたのか?何が彼をあんなに動揺させたのだろう?
先輩は燃えるような目で言った。「今後何か困ったことがあれば、遠慮なく私に言ってください。」
私は少しぎこちなく答えた。
「わ…わかった、必要なら。」
先輩はまるで別人になったかのように力強く頷いた。その変化は驚くべきものだった。
兄は以前、彼に一体何をしたのだろう?!
その後、私は聖母先輩から文書の書式設定について少し教えてもらっていたのだが、突然ヒルダ会長が声をかけた。
「皆さん、昨日話したことをもう一度話し合いましょう!」
私たちは皆、作業を止めて会長の方を見た。
「今日は新メンバーが加わったので、上位2名の下位貴族を生徒会に加えることについて、改めて議題に上げたいと思います。」
下級貴族のほとんどは教育資源が限られているため、実際に上位の地位に到達できる者はごくわずかだ。
会長の言葉を聞いた瞬間、二人の人物の姿が頭に浮かんだ。会長が言及した二人…まさか…?
「殿下とフォンスさんとこの件について話し合ったところ、階級に関係なく才能のある者を生徒会に入れることに賛成してくれました。ふふふ」会長は魅力的な笑みを浮かべた。
その時、上級生の一人が立ち上がり、「会長、反対です!」と言った。
「ふふ、財務担当のカテラン君、なぜ反対なんだ?」
カテラン伯爵…彼の父親は宮廷で財務の要職に就いていたはずだ。
「出自が怪しい下級貴族が、突然新しい商会を立ち上げたような連中をどうして入れることができるでしょうか?そんな商会は認めません!それに…弟が入会することに同意したはずですよね!?」
えっ?商会?一体どういうことだ!?
「ふふ、カテラン氏は本当に情報通ですね。私が彼らにどんな役職を与えようとしているのかまで推測できるとは…」会長は軽く笑い、それから左右を見回すふりをした。
「ん?カタランさん、ここにはいないようですね?弟さんは生徒会に入ることにあまり乗り気ではないようですが。」
「ええと…何か遅れているのでしょう!明日必ず時間通りに連れてきます!」
「ふっ、待ってるよ。猶予は1週間だ。」
「明日連れてきます!」
会長はさりげなく続けた。「他に反対意見のある者は、早く言ってくれ。」
カタランさん以外は誰も口を開かなかった。おそらく、殿下をはじめとする他の者たちも同意していたからだろう。
彼らの会話と、ゲーム以外の場で起こっている出来事を目の当たりにして、私はただただ驚愕した。




