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間章 06

9/9更新休む

 私たちは店を出て、私はまだ愛らしいぬいぐるみを抱きしめていました。殿下について次の店へと歩き続け、アンナへのプレゼントを探し続けました。

 …腕の中のぬいぐるみを見つめ。まるで猫が私に微笑みかけているようでした。手に持った感触は素晴らしく、弾力性も感じられました。頭を撫で、丸いお腹を軽くつつくと、思わず顔に笑みが広がりました。

 …ああ…ああ、可愛い。

 もし外にいなかったら、きっとぬいぐるみを夢中でつつきまくっていたでしょう!

 つつく、つつく、つつく!

 早く家に帰りたい…

 はっ!いやいや、大事なことはこれからだ!

 あと数軒のお店を見て回ったら、先生がクイン伯爵を連れてきてくれるはずです。その前に、何を買うか決めなければ。

「そのぬいぐるみはレティシア嬢にとてもよく似合いますよ」と、殿下が突然笑顔で言いました。

 あぁ…そうだった、あまりにも突然で、お礼を言う暇もなかったわ。

 彼の笑顔を見て、私は少し頭を下げて答えた。

「…贈り物、本当にありがとうございます。」

 うっ…ちょっと恥ずかしかった。

 まさかあんなにあっさり買ってくれるとは思わなかった…。

 ちらりと殿下を見ると、相変わらず穏やかな表情をしていた。

 これは困ったものだ。

 これは大変な問題だ。

 …

 …殿下にもっと気を配ろうと決めたのに、そうするとますます胸が高鳴り、どうしようもなく無力感に襲われる…。

 現実を突きつけられた今、私はどうすればいいのでしょう?

 今はただ、自分の気持ちが膨らんでいくのを感じるだけで、相手も同じ気持ちなのか分からず、不安でたまりません。

 彼の優しさは責任感からくるものなのか、それとも何か別の意図があるのか?

 直接聞いてみるべきでしょうか?

 でも、殿下は責任を取るとおっしゃっていました。他に答えはあるのでしょうか?

 直接、私のことが好きかどうか聞いてみるべきでしょうか?

 知り合ってまだ日が浅いのに、そんなことを聞くのは傲慢に感じます。

 殿下に告白するべきでしょうか?

 …でも、私たちはもう婚約しているんです!

 それに…

 私たちはまだ若すぎる。たとえ彼が私を好きだとしても、それは本当に愛なのでしょうか?

 …私は温もりと安らぎを求めて、ぬいぐるみをぎゅっと抱きしめました。

 …こうして現実を突きつけられた今、自分が何を望んでいるのか分からなくなってきました。

 私の心は混乱しています。

 恋愛経験が全くない私は、どうすればいいのか分からず、まるで迷路に迷い込んだように、ただ立ち尽くすことしかできず、混乱し始めていました。

 今の私にとって、こうした感情と向き合うこと自体が、ほとんど耐え難いほどでした。

 混乱の渦に巻き込まれていたその時、殿下の声が私の混沌とした思考を遮りました。

「丸くて可愛い。」

 ……丸くて可愛い?

 何かがおかしいとすぐに感じ、私は慎重に考え直しました。

(「そのぬいぐるみはレティシア嬢にとてもよく似合いますよ」)

(「丸くて可愛い。」)

 ぬいぐるみを見てみると、ふっくらと丸いのでかなり大きく、両腕で抱きしめることはできなかった。

 ……

 殿下!まさか、私がぬいぐるみみたいに丸くてふっくらしているってことですか?!

 少し不満そうに、「わかりました……殿下は私をそういう風に見てくださっているんですね……ありがとうございます。」と言った。

 私はベビーフェイスです!わからないんですか?!

「レティシア嬢がどう誤解したのかはわかりませんが、そういうつもりで言ったのではありません。」殿下の肩がかすかに震えた。

 絶対にそういう意味で言ったに違いない!

 本当に!無駄に喜ばせてくれたじゃないですか!

 顔を背けて、「殿下はそういう意味で言ったのではないとは思いません。」と言った。

 殿下は突然ぬいぐるみの顔を突っつき、「本当に、かじりたくなるほどだ」とおっしゃいました。

 ……かじる?

 私のぬいぐるみに何をするつもりですか?!

 殿下にこんな趣味があるとは思いもよらず、心臓がドキッとしました。

「アンナ!ぬいぐるみを馬車に持っていって。」

 殿下に襲われるのを恐れ、私は慌ててぬいぐるみをアンナに預けました。

「……お嬢様。」アンナは少し驚いた様子でぬいぐるみを受け取りました。

「……殿下にこんな奇妙な趣味があったとは知りませんでした。今、よく分かりました。」

「……時々、レティシア嬢は何を考えているのか本当に不思議に思います。」

 殿下は再びくすくす笑い、それ以上何も言わなかった。

 一体何を考えているのかと聞こうとしていたところだったよ!あんなに愛らしいぬいぐるみに、よくもそんなことを思いついたものだ!


 私たちは次の店に入った。そこはやや高級な雑貨店だった。精巧な磁器セット、ドライフラワー、お茶、香水、その他小物類が、それぞれのコーナーにきちんと並べられていた。ほのかで心地よい香りが漂い、リラックスした雰囲気を醸し出していた。

「いらっしゃいませ!ご紹介しましょうか?」

 私たちは店員の申し出を断り、店内をぶらぶらと見て回った。やがて殿下はお茶と土産物のコーナーで店員と何か話し始め、私はただ店内を見回していた。

 ふむ……以前は、母や執事が家で商人と必要なものを話し合ったり、彼が持ってきた宝石を見たりするのをいつも見ていた。今、お店で売られているものを見るのは、以前の生活とはずいぶん違う。ここはデパートに近いのかもしれない。

 ……殿下のお茶の好みは変わっていない。お茶関連の贈り物はぴったりだ!

 店員と楽しそうにおしゃべりする殿下をちらりと見て、私は贈り物に目を戻した。

 アンナは何が好きだろう?すぐ後ろに立っているけれど、サプライズにしたいから、先に馬車の中で渡そうか。

 陶磁器…どれもありきたりで、特別なものがない。

 お茶、香水…これらは彼女の好みをよく知っておかないと贈れない。

 ドライフラワー…

 目の前には、香りのサシェ、花瓶、伝統的な花束、カードなど、ドライフラワーを使った様々な贈り物がずらりと並んでいた。

 婚約祝いには、こういうのがぴったりだろう…

 このコーナーで立ち止まり、少し迷いながら品々を眺めた。

 それに、サプライズにするなら、こういうものを贈っても驚かされないだろう…

 前世で、ここにはない品物があっただろうか、とふと思った。

 ...

 そうよ!ハーバリウム!

 植物油を詰めた花瓶みたいなものよ。作り方は簡単。ドライフラワーを瓶に入れ、ピンセットで位置を調整したら、ゆっくりと植物油を注ぎ、蓋を閉めるだけ。ポイントは花の配置の美しさよ。

 手作りなら、もっと個性的な雰囲気が出るはず!

 決心した私は、お店で必要な材料を選んだ。植物油は別に誰かに買ってきてもらい、後で別のメイドに手伝ってもらうつもり。

 殿下は私の動きに気付いて、こう尋ねに来た。

「決まったのか?」

「はい!」

 さあ、いよいよクイン伯爵の本当の姿を見る時が来たわ!


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