第4章 06
喧騒が高まり、静まり返る中、人々が待ち望んでいた年に一度の大イベントが始まろうとしていた。人々は皆、巫女たちの演舞を待ちわびて円形の競技場に集まった。2万人以上を収容できる競技場はほぼ満席で、活気に満ち溢れていた。正午から夕方まで続く賑やかなショーが繰り広げられ、そのクライマックスは巫女たちの決闘だった。
「頑張って。素晴らしいパフォーマンスを楽しみにしています」と国王陛下は述べられた。
「ふふ、頑張ってね、ベルニス!」と王妃は微笑んだ。
「ベルニスさん、頑張ってください」と殿下はいつもの笑顔で言った。
「ベルニスさんの素晴らしい演舞を本当に楽しみにしています!」と私はすぐに励ましの言葉をかけた。
「お越しいただき、そして励ましのお言葉ありがとうございます。必ずご期待に沿えるよう努めます」と巫女は優しく微笑んだ。
目の前にいる巫女――バーニス・ベンツソン――は私の従姉妹だ。母の髪は白髪交じりのブロンドだが、バーニスは正真正銘のブロンドで、全体的な容姿はどこか似ているものの、雰囲気は全く異なる。母は伝統的で、どこか少女らしい雰囲気の若い女性だが、バーニスは氷のような美しさを漂わせ、近寄りがたい印象を与える。
巫女を励ますため、私は国王陛下と一行に同行し、彼女の居室へ向かった。今、私は居室にいるが、後ほど東王国の巫女たちと挨拶を交わす予定だ。巫女を励ました国王陛下と王妃陛下は、同行の神官たちと挨拶を交わしているところだ。
「……レティシア・エヴァンさん。」
国王陛下と一行を待っている間、バーニスさんが突然私に話しかけてきた。
「はい?」
「…」
バーニスは何も言わずにじっと私を見つめていた。
…以前にも似たような経験をしたような気がする。
数日前、客人を迎えた際、確かに多くの好奇心旺盛な視線を集めたが、私の姿はそれほど珍しいものではない。ほとんどの神父はこのような姿をしている。ここで本当に珍しいのは、殿下だ。
母のせいかしら?
母のことを考えると、そしてここ数日の皆の私への反応から察するに、母は本当に特別な巫女なのかもしれない。
ここ数日スケジュールがぎっしり詰まっていて、家に帰った時には疲れ果てて、何も言わずにベッドに倒れ込んで眠ってしまった。
バーニスはまだ私を見つめている。何を考えているんだろう。彼女の威圧的なオーラに、どう反応したらいいのか分からず、ただ見つめられるままにしておく。
気まずい。一体何が目的なんだろう?
「お尋ねしま…」
ようやく勇気を振り絞って尋ねようとしたその時、突然、殿下が口を開いた。「…バーニス嬢、レティシア嬢のところへはどのようなご用件でしょうか?」
殿下は気付いたようで、代わりに口を開いた。
「…申し訳ありませんが、レティシア様はいつも謎めいた方で、それに叔母の娘ということで、とても興味をそそられてしまって…」
「あ…そうですか。」
私は動物園の動物じゃないんですから!
私は彼女の視線から逃れようと、慌てて殿下に近づいた。
一瞬、彼女の視線に敵意が宿ったように感じた。気のせいだろうか。
うっ!ちょっと怖い。
「他に何か?」
「いえ、申し訳ございませんが、舞踏のステップをもう一度確認させていただきます。」バーニスはそう言い終えると、すぐに頭を下げた。
殿下は頷いた。
バーニスは私への興味を失ったかのように、完全に無視して部屋の奥へと歩いていった。
「…」
私は戸惑いながら殿下を見た。
「気にしなくていい。」
殿下は苦笑いを浮かべられた。
初対面で、和やかな雰囲気にはならないだろうとは予想していたものの、今の状況はやはりぎこちなかった。彼女の視線には、善意のかけらも感じられなかった。
前世では、これほど露骨な悪意を感じたことはなかった。初めて感じたことで、少し驚いた。
……やはり、母の状況をきちんと調べるべきなのかもしれない。
そう思った。
陛下と他の方々が挨拶を終えると、私たちは東王国の巫女の部屋へと向かった。入口の衛兵たちは、前世のインドの衣装にやや似た、少し肌を露出したカーキ色の異国風の制服を着ていた。健康的な日焼け肌と力強く特徴的な顔立ちから、彼らの民族性がうかがえた。
「お越しいただきありがとうございます。どうぞ、中にいる方々と連絡を取らせていただきます」と衛兵は私たちに頭を下げた。
「お手数をおかけたな」と陛下は言われた。
「少々お待ちください。」
警備兵の一人がそう告げると、中に人を送り込んだ。どうやら隊長らしき人物で、深い青い髪、灰色の瞳、そして印象的な顔立ちをした、禁欲的な雰囲気を漂わせるハンサムな男だった。
私は平静を装いながら、ちらちらと視線を送った。
今までとは違うタイプの人!すごい!
歓迎式典では遠くから眺めることしかできなかった彼らを、今、間近で見ることができ、その異国情緒あふれる野性を肌で感じることができた。興奮と、少し圧倒されるような気持ちが入り混じった。
なんて眩しい!ハンサムな男って、自然と壁をはらんでいるものね!
成熟した男性って、本当に素晴らしい!
こんなに近くで会えるなんて、私はなんて幸運なんだろう!
はぁ…東洋の人々がこんなにも素晴らしいなんて、想像もしていなかった。
この人の美しさに見とれていると、突然誰かが声をかけた。
「レティシア嬢」と、殿下が唐突に告げた。
「…はい?」
私は殿下の方を向いた。少し不自然な笑みを浮かべているのに気づいた。
どうしたんですか?
戸惑いながら、私は殿下について中に入った。




