第4章 02
謁見が終わりに近づいた頃、外で騒ぎが起こった。一人の騎士が入ってきて、宰相に何かを囁いた。
宰相は悩んでいるように見えた後、この機会を捉えて陛下に報告した。
「陛下、帝国の賓客が到着いたしました。思いがけない人物がおられます。」
「ほう?誰だ?」
「はっ!たとえ彼らがまだあちらで戦っているとしても。我々は実に甘く見られていたようだ。」
「……」
知らぬふりをしているのか、それとも既に陛下と連絡を取っていたのかは定かではないが、目の前の王妃は静かに微笑んだ。
「よろしい。通しなさい。」
「はい。」
彼の茶色の髪がたちまち人々の目を引いた。年齢のせいで後ろにいる人々より背は低いものの、彼は赤い縁取りのある印象的な黒いスーツを身にまとっていた。周囲の視線にも動じず、彼は落ち着いた様子で、帝国の第四王子であることをはっきりと示す、並外れた存在感を放っていた。
我々の記憶にある第四皇子は、ほぼ同い年で、帝国の第一皇子と同じ母親を持ち、第一皇子派に属していた。おそらく権力闘争に最も関わっていなかったため、ここに派遣されたのだろう。やがて帝国の賓客が到着すると、それまでの陽気な雰囲気は一瞬にして消え去り、足音だけが響く静寂に包まれた。
我が国がエメラルドグリーンで象徴されているのに対し、帝国は黒と赤で象徴されている。ちなみに、北の王国シュウェイテは青、東の王国フィウレは黄色である。
今日着ているドレスも薄緑色で、白いレースの縁取りが施されています。ようやくピンクから脱却できたので、とても嬉しいです。
「帝国を代表して、ライアン・クヴィラ殿下がこの招待を受諾されました。」
ライアン王子はそう言って頭を下げた。
「皆様もご存じの通り、我が民は現在、激しい競争に明け暮れており、夏至祭を開催する時間さえ確保できない状況です。つきましては、私が帝国を代表して出席させていただきます。何卒ご理解いただけますようお願い申し上げます。」
彼は流暢な口調で、笑顔を浮かべながら、群衆の視線にも動じることなく、弱みを一切見せなかった。
…えっ!まさかこんなにストレートだとは思いませんでした。
驚きを隠せませんでしたが、すぐに平静を取り戻しました。
周りの人々は皆、沈黙を守り、表情は平静を装っていましたが、ライアン王子の言葉に皆、相当驚いていたのでしょう。
貴族らしく、皆、体面を保つことに長けていました。
「これは贈り物です。我が国にしかない、高純度の赤い水晶です。貴国への誠意を示すものです。」
ライアン王子が話し終えると、従者がすぐに赤い水晶を取り出し、皆に見せました。10カラットを超える深紅の水晶は、皆の視線の下でまばゆいばかりに輝き、その輝きは見る者を魅了しました。あまりの希少性ゆえに、居合わせた多くの人々が感嘆の声を上げずにはいられませんでした。
…なんて大きい…一体何カラットなんだろう?いや、大きさだけでは判断できない。重さ、密度、輝きなど、いろいろと調べなければならないようです。いずれにしても、これは希少な水晶です。
貴族は成人する前は、通常1~2カラットの水晶を身につけます。成人後は、身分や職業によって2~5カラットの水晶が用いられ、王族はそれ以上の重さのものも身につけます。10カラットを超える希少な水晶は、主に領地や国家の象徴として用いられるため、極めて希少です。
ちなみに、私が今身につけているネックレスには、1.5カラットのエメラルドの水晶が付いています。両親が「魔女に目覚めさせられた」後にくれたものですが、平民である私は、失くしたり、傷つけたり、盗まれたりするのが怖くて、普段は服の中に隠しています。今回は祭りに合わせて装飾として身につけなければならないので、少し緊張しています。
前世の学生時代には、ダイヤモンドや宝石など、私には到底手の届かないものでした!
周囲を見回しながら考え込んでいるうちに、私はいつの間にか次の段階へと進んでいた。
「ハハハ!それならば、ようこそ。」
静寂の中、国王陛下の重厚な声が部屋に響き渡った。
「宰相。」
「はい。」
宰相は即座に行動を起こした。臣下に、皇族の賓客が持参した贈り物を整理し、部屋を用意するよう命じた。これは、国王陛下が賓客を受け入れ、歓迎したことを示すものだった。
ライアン王子の率直さには理由があったのだ。率直な態度は余計な憶測を避け、貴重な水晶の贈り物は誠意を示すものであり、国王陛下がそれを嘲笑の材料に使うことを防ぎ、あらゆる噂話の種を完全に排除するものだった。
いずれにせよ、暗殺未遂事件はうやむやにされ、帝国は内部の権力闘争に注力したいのだろう。
…私には少し受け入れがたいんです。
だが、私と同年代のライアン王子が、これほどまでに非凡な人物だとは予想していなかった。
「……」
隣にいる王子に目をやると、口角がわずかに上がっているように見えた。
私は小さくため息をついた。
初めての夏至祭は、想像以上に波乱万丈になりそうだ。




