第3章 07
外に出ると、またしても似たような怪物が現れた。色が違うだけで、ほとんど灰色だった。護衛たちはすぐに先頭に立って、その進路を塞いだ。
「どうしてまだ他にもいるの!」アイリーンは驚いて叫んだ。
「ここは我々に任せて。連絡は君たちに任せる」と、デュークは即座に、そして断固として我々に命令を下した。
森に来た時、大勢で動物たちを刺激するのを心配して護衛をあまり連れてこなかった。今一緒にいるのはたった二人だけだ。
「デューク!」
デュークは殿下やアルジャーのように武術を心得ていないようで、少し不安だ。
「お前が去った後で脱出方法を考える。心配するな」
デュークはそう言い終えると、すぐに弓矢を手に取り、魔法を唱えた。おそらく私を安心させるためだろう。
「……分かりました」
デュークの決意に満ちた表情を見て、私は従うしかなかった。
話し合いが終わるとすぐに、デュークたちがモンスターをおびき寄せ始めたので、もう一人の騎士とアイリーンと私は、その隙をついて逃げ出した。
ここまで来た時はできるだけ静かにしようと努めたが、今は慌ただしい足音が響き渡っていた。私たちは出口に向かって全力疾走していた――
「…どうしてまたいるの?」アイリーンは信じられないといった様子で言った。
私も呆然としていた。またしても似たようなモンスターが目の前に現れた。今度は色が違って、濃い青色だった。
この一連の出来事を見て、私は突然、何か意図的なものを感じた。
「…レティシアさん。」
モンスターがあまりにも大きかったので、少なくとも二人いればもっとうまく対処できたはずだ。そうなると私は一人になり、アイリーンは何をすべきか迷っているに違いない。
「大丈夫、出口はもうすぐそこよ。」
一刻を争う状況だったので、私は急いでアイリーンを安心させた。
「…わかったわ。あなたが先に進んで、その隙に私たちは逃げる。」
「わかった!アイリーンさん、気をつけて!私が去ったらすぐに逃げて!」
私たちは互いに頷き合った。アイリーンは弓を構えてモンスターの注意を引きつけ、私はその隙をついて横に逃げた。
もうすぐだ!
出口は目の前にあった。私は急いでスピードを上げ、そこへ駆け寄った。一歩踏み出した途端、まばゆい光が放たれた――
しばらくしてようやく目を開けると、目の前の光景は驚くべきものだった。
えっ――
私は小さな木造小屋の中にいた。その光景を表現するのに「混沌」という言葉しか思い浮かばない。至る所に様々な植物や未知の生物の標本、その他正体不明の物が山積みになり、吊るされていた。私の傍らには大きな鍋があり、正体不明の液体が煮込まれ、奇妙な匂いを放っていた。まるで魔女の家に迷い込んだかのようだった。
「ワンワン!」腕の中の小さな猟犬が突然吠えた。
吠えた方向を見た。
「やっと他の奴らから誘い出したわね。年を取ると、物事が計画通りに進まないことも多いのよ。」
「誰?」
突然、奥から女性の声が聞こえ、続いて人影がゆっくりと現れた。その女性は30代くらいの成熟した女性で、腰まで届く長い茶色の巻き毛を右側で結んでいた。彼女は長く濃い紫色のマントを羽織っていたが、それでもその美しい体型は隠しきれていなかった。その容姿からして、魔女のようだった。
「魔女?」
記憶を取り戻して以来、魔女のことは耳にしていたが、実際に見たのは初めてだった。目の前にいる今、少し疑念がよぎった。
魔女らしき人物は私に近づき、じっと私の目を見つめながら言った。
「女神の気配を感じたのは意外だったが、隣にいる人物はそれ以上に意外だ……。こうして近づいてみると、私の勘違いではないと確信した。」
「どういう意味ですか?」
この魔女は何を言っているんだ?
「ここにいるべきではないのに、ここに現れた…不思議ね。」
「え?」
魔女はしばらく考え込むように私を見つめた。
「クレアが前に言っていたのは、どうやらあなただったみたいね。半分信じて半分疑っていたわ。」
魔女は私の質問を完全に無視して、話し続けた。
全く口をきかない!
「あら、元素の核がまだ開いていないの?それは不便ね。私が開けましょう。」
「え、え?」
「ワン!ワン!」猟犬の吠え声は何かを止めようとしているようだった。
私が反応する間もなく、彼女は私の頬に触れた。すると、まるで直射日光を浴びたかのように、視界が眩しくなった。私は慌てて目を閉じた。
「目を酷使しすぎないようにね。リラックスすれば、また見えるようになるわ。」
「幸運を祈るわ!」
魔女は私の肩を軽く叩いた。目を閉じると、遠くから歌声が聞こえてきた。それは、話し声と歌声が混ざり合ったような歌声だった。
「ああ、肥沃な大地よ、百の花が咲き乱れ、豊かな収穫を。」
「大地の子らよ、食糧と衣服に事欠かず、食糧や衣服の心配もない。」
「豊穣の女神は満面の笑みを浮かべる。」
「ああ、肥沃な大地よ、風が吹き荒れ、戦争が激化する。」
「大地の子らよ、欲望は尽きることなく、神々も人も怒らせる。」
「豊穣の女神は深くため息をつく。」
「ああ、肥沃な大地よ、英雄が立ち上がり、戦争は終結する。」
「大地よ…、歓喜せよ…太鼓よ…」
「…神よ…嘆き悲しむ…欲望よ…」
歌声は次第に消え、ほとんど聞こえなくなった。
バン!私は慌てて目を開けた。目の前には森の入り口が広がっていた。
……え?
夢だったのか……?
しかし、目の前の光景はいつもとは違っていた。木々から花々まで、すべてがかすかな光に包まれ、これが夢ではないことを悟った。
何度も目を閉じたり開けたりしたが、景色の光は時にはあり時にはない。
「ワン!ワン!」小さな猟犬は、まるで私の腕から抜け出そうとするかのように吠えた。
私は犬を放すと、犬は飛び降りた。
そして、何かを確かめるかのように、私の周りをぐるぐると回った。
まさか…?
アイリーンから教わった魔法の教えを思い出し、手のひらに小さな赤い点が集まってくるのを想像してみた。きっと精霊だろう。点々はどんどん集まり、やがて小さな炎となった。
これが魔法というものだ!まさか、魔女に突然開眼させられたのか?!
突然の変化に、私は一瞬呆然とし、その場に立ち尽くした。
「レティシアさん!」
遠くから声が聞こえた。慌てて振り返ると、コテージの方から皆がこちらに向かって走ってきていた。
えっ!?何が起こっているの?
「よかった!大丈夫ですか、レティシアさん?」
アイリーンが私の手を握ってくれた。
「あの…あの、私、大丈夫です?」
「最初に出て行ったのは君じゃなかったか?どうして最後に現れたんだ?迷子になったのか?本当に心配したぞ。」アルジャーは頭を掻いた。
「…私も何があったのか聞きたかったんです。」
「ワン!ワン!」猟犬が吠えた。
まるで「大丈夫だよ」と言っているかのようだった。
「ああ、ポチ、君も大丈夫だったのか。」アルジャーは言った。
「…」デュークは少し心配そうに私を見た。
「皆を心配させてしまって申し訳ないが、理由があったんだ。」
「…レティシア嬢、幸いにも無事のようですね。」殿下は苦笑いを浮かべ、少し戸惑ったような表情で私を見た。
その表情を見て、私は妙な恥ずかしさを感じた。
ああ!確かに私は素直に逃げ出したのに、これは私のせいじゃない!私は急いで皆に夢のような体験を説明した。
騎士がいたため、それらすべてが言及されたわけではない。彼らは信じつつも懐疑的な目で私の話を聞き、最終的にはその怪物は魔女の仕業だろうと結論づけました。魔女の動機は不明でしたが、魔女は謎めいた存在として知られ、しばしば奇妙な行動をとるものです。そこで私たちは魔女協会に抗議書を提出することにしました。
ちなみに、魔女協会は大陸全土の魔女を管理する組織です。各国に駐在する魔女に関する問題はすべて、協会に一括して報告しなければなりません。
いずれにせよ、魔女がこれほどまでに神秘的な存在だとは想像もしていませんでした。今回の経験を通して、そのことを痛感しました。




