体育館
イソス・フランティーがこの校舎内に現れて50分くらい経つほど。
体育館内にある騒ぎが起きている。
それはバスケをしていた林家ころ様が私に歯向かおうとしていたイソス・フランティーにボールをぶつけてしまったのだ。
その瞬間、誰もが不穏な空気を感じ取っていた。
その予感が当たったと思った瞬間、2人はある行動に移していた。
「あのー、別に喧嘩売るつもりでボールを当てたんじゃないんだけど」
それでもイソス・フランティーはカンカンに怒ってるようだ。
「私に危害を向けたのだから喧嘩売ってるのは当然ですわ。この勝負受けて立つんじゃなかったと後悔しても知りませんわよ」
本当に何を考えてるんだか。
ただ普通にボールが当たっただけなのに、私はその敵対意識が理解できなかった。
林家ころ様は勝負する気持ちも見受けられないので私は1人で騒いでるイソス・フランティーに話しかけた。
「ねぇ」
くるりと振り返る。
「何ですの?」
「あまりひとみ様を怒らせないほうがいいよ」
「はぁ? あなた、何を言って」
くるりとまたイソス・フランティーは振り返る。
その視線の先に、ころ様の相方であるひとみ様は猛烈な熱気と邪気を放っていた。
「ひえっ」
「ひとみ、落ち着いて」
ひとみ様を落ち着かせようところ様は鎮めようとさせる。
「私のころが他の女と揉め事…」
ぶつぶつと同じ言葉を繰り返すひとみ様。
これはやばい。
だが、そんなひとみ様を見てイソス・フランティーは真っ向勝負で向かった。
「じゃ、じゃあ、あなたが私と勝負するんですの!」
「受けて立つわ」
「え?」
イソス・フランティーは抜けた返事をした。
想像も付かない返事をしたからだ。
これはどうする?
「受けて立つって言ってるの。それで、何で勝負? バレー?バスケ?」
「あなた運動が得意って感じがしますから、ここは1つ絵を描くのっていかがかしら?」
やばっとひとみ様は危機を感じたようでぴくついている。
「へ、へぇ、イラストね。分かった、その勝負受けて立つわ。ただしあなたが負けたら全校生徒の前でころに土下座しなさい」
「はぁ?! 何で私が土下座しないといけないんですの」
「私の大事なころに屈辱を与えたから、その思いもあなたに味わってもらわないと」
「…っ、いいでしょう。その代わり私が勝ったらゼンサ界に突如として現れたあなた達について教えていただきますわよ」
「意味わからないこと言ってるけど受けて立つわ」
お互いの望みを聞くとひとみ様はころ様に伝える。
「ころ、私達の審査員をやってくれないかしら」
「え? 私が?」
「公平な目で見て欲しいから」
「それならいいけど、でも、ひとみ大丈夫? 文系は苦手なんじゃ」
ふふっと笑みを作るひとみ様。
「私を甘く見てもらっちゃ困るわ」
「はぁ、心配だな」
こうしてひとみ様とイソス・フランティーのイラスト勝負が始まった。




