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第43話 せんせー!りあちゃんのセクハラが酷いです!!

 POPプロダクションアイドル強化合宿。後半戦に差し掛かってよーやく!プロの講師がやって来ました!

 究極の百合を求めて……天鬼りあ、プロのアイドルになります!!


「まずはストレッチ。怪我の防止と柔軟性の為に大事な準備運動よ〜」


 オカマ講師、ケツアナ&ハナアナ先生によるレッスンが開始。

 星熊マネージャーがY〇uTube用の動画撮影の為にカメラを回す前で……


「ぎゃー!!」

「ひぃー!!」

「イタイ!!」

「がはははは!!股関節が千切れる!!」

「いぃぃっ!!」

「あーー︎︎ ♀」

「いやぁぁぁ!!」


 悲鳴が轟いてた。


「みんな体が固いわねー。ストレッチちゃんとしてなかったでしょー?」


 たっぷり1時間の柔軟体操。そこにあったのは万理華さんのレッスンにはなかった辛さ。私達の体ってこんなに固かったんだ…


「はいもっとぉ〜」

「痛い!!もう無理や!!」

「今度は逆に〜」

「できるか!!海老やあらへんのや!!」

「そぉれ〜」

「あぎゃぎゃぎゃぎゃ!!」


 でも役得もあった……


「じゃあ……せいちゃん、伸ばすね……///」

「優しくしてね……///」

「せーの」

「あっ、あぁんっ///」

「ああっ……せいちゃんそんな…お股おっぴろげ……///」

「んんんっ///」


 ……たまらんなこれ。

 ストレッチという名の……


「ちょっとっ……りあどこ触っ……んっ///」

「万理華さん固いよ〜///あー……固い固い…」

「そこ横乳……あっ///」


 スキンシップ!!


「……はーちゃん。背中……すべすべだね///」

「さわさわしないでよぉ///」


「すーっはーっ」

「ニオイカガナイデッ」

「琴音ちゃん……いい匂いだ///」


 私は断じて百合がしたいんじゃなくて百合を眺めたいんであって、これは純然なるストレッチであって、そう目の前でお股をガン見したり肌をすべすべ触ったりは不可抗力で……



「せんせー!りあちゃんのセクハラが酷いです!!」

「こいつとやるの嫌や!!」

「私!横乳触られたんだけど!?横乳触る意味無くない!?」


 違う。セクハラじゃない。


「……りあちゃん?りあちゃんは先生とストレッチしましょうか?」

「嫌です」

「あらどうして?」

「先生は男だからです」

「優しくするから大丈夫よ?うふっ♡」



 メキメキメキッ


「あーーーっ!!!!」

「あーんっりあちゃん固ーいっ♡はいもっとぉ〜♡もっと伸ばして〜♡」

「ああぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!砕ける!!骨盤砕ける!!!!」

「あぁーん♡いい声で鳴くじゃな〜い♡」


 メキメキメキッ!!!!


「ぎゃーーーーっ!!︎︎ ♀」




 ストレッチが終わったら本格的なレッスンに移る。万理華さんのレッスンは課題曲の振り付けをひたすら繰り返すものだったけど、青ブロッコリーことハナアナ先生のレッスンはストレッチからアイソレーション、リズムトレーニングと段階を踏んでいく。


 万理華さんは一曲通しでやってその都度課題点を(殺気を込めて)指摘してきてたけど、こうやって段階を踏まれると精神的にも余裕が生まれてくる。万理華さんに比べて比較的ゆっくり進んでいく感じがした。


「はいワンーツー、ワンツーっ」


 そして躍動するおっぱ……なんでもないです。


「でゅふふふふっ」

「……りあ、鏡見なさいよ」

「でゅふふふふふっ」

「りあ」


 内腿の筋肉。


「はぁはぁはぁ」

「……りあちゃん?」

「はぁはぁはぁはぁっ」

「近いよ。ぶつかっちゃう」

「はぁはぁはぁはぁはぁはぁっ!!」

「お股の匂い嗅がないで!?」

「せんせー!!りあちゃんがセクハラしてきまぁすっ!!」


 前に呼ばれた……


「言ったでしょ?」

「すみません」

「他人の身体見てる場合じゃないわよ?」

「すみません」

「真面目にやってる?」

「すみません」



 まぁその後課題曲の『THREEPIECE』の振り付けをやって…最期に軽くストレッチして終わり。

 その後簡単な反省とミーティング的なやつがあった。みんなで青ブロッコリーを囲んで座って青ブロッコリーの話を聞く。

 なんか運動部の一日みたいで少し楽しかった。


「みんな基礎体力はちゃんとついてるわね」

「毎日地獄の走り込みさせられてるからやな!!」

「でも朋花ちゃんは少し体力不足ね」

「なんでやねん!!」

「みんな素人とは思えないくらい上手よぉ。この半月間よく頑張ったのねぇ。ご褒美のチュー、いる?」

「いらへんわ!!」



 続いて緑ブロッコリーことケツアナさんの歌唱レッスン。

 これは万理華さんがやってた時とあんまり変わらなかったかな。

 発声トレーニングの後で歌唱練習。やっぱり課題曲は『THREEPIECE』の代表曲。


「はいせーの。ららららららららら〜♪」

「あーーー」

「うーーー」

「えーーー」

「ちょっとぉ。みんな疲れてるわよ〜。気合い気合い!!ステージに立ったらもっと疲れるんだからぁ!!あと笑顔よ!!」

「ここでもスマイル強制されるんだ……」


 ……ただ美少女の肉体の躍動がない分つまらなかったです。




 初日のレッスンは先生曰く「軽く」流したらしい。一日が終わった後残ったのは心地いい疲労感、それに安定感のある指導による安心感だった。


 初日のレッスン終了後に二人のブロッコリーがこんな事を言ってきた。


「あなた達曲はどうするの?」


 それは個別審査の時にも言及された事だった。

 万理華さんが答える。


「現状事務所にお金が無いのでまだ作ってもらってません。デビューもいつになるか決まってませんし」

「でも、早めに準備しとくに越したことないわよ?デビューは確定なんでしょ?」


 確定……

 星熊さんが言ってた合宿の趣旨についての説明が過ぎる。


 7人でデビューできるとは限らない。


 懸念されてた琴音ちゃんと紗良ちゃんの関係は修復された。大丈夫……なはず。


「デビューはいつなの?」

「……なるべく早く」


 即答した万理華さんの横顔に滲むのは焦りにも似た決意。講師を降りても万理華さんは考える事が多いみたい。その焦りの理由がよく分からなくてまた胸中に不安が募ってく…


「それとあなた達のグループのコンセプトって決まってるの?」

「コンセントってなんや!?」

「コンセプトよ。そんな典型的なボケ要らないから」

「カワイイ系でいくとかカッコイイ系でいくとか……ざっくり言うとそんな感じだけど…そういうのも固まってないと楽曲のイメージも湧かないでしょ?」


 私達のコンセプト……


「まぁお金の話はあなた達が考えることじゃないけど……」


 Wブロッコリーの視線を受けて星熊さんが目を逸らした。


「どういうアイドルになりたいかは具体的に決めといた方がいいわよ」

「その方が指導もしやすいしね」


 ……このメンバーで成りたいアイドル像。

 アイドルが目的じゃなくて手段な私にとってそれは今まで考えた事もなかった事だけど、たしかに考えないといけない事だ。

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