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第149話 推しとファンのガチ恋はちょっと……

「あのっ!すみません!!もしかしてY〇uTuberのラフ〇エルさ「違いますぅ」


 某ド〇キから次の目的地の映画館へ…琴音ちゃんとはぁとちゃんはまた防寒対策でビックフットになっちゃった。

 私も某ド〇キで白いマスク防寒用で買ったよ。


 なんだかんだあったけど、とりあえず当初の予定通り映画に誘導できました。


 この天鬼りあ、今まで幾多数多の百合カップルを生産してきた女。デートの根回しなんて朝飯前だし。抜かり無し。映画館の席だってちゃんと事前に取ってるんだな。これが。






「カップルシートじゃねえか!!」


 琴音ちゃんが無事劇場で叫んでるのを確認してから私も鑑賞(百合)の為に席へ…

 今回色々考えたんだけど、二人のてぇてぇを視姦するのにはやっぱりすぐ近くがいいよねって…


「楽しみだね(てぇてぇが)でゅふっ(イケボ)」

「ウン!(腹話術)」


 隣のカップルシート確保しました。マスクで素顔はバレてません。

 相手役はダッチワイフのメリーちゃん。これもド〇キです。ド〇キに行ったのまで全て計画通りなんだ。でゅふっ!!


「…なんだあいつ(汗)」

「琴音様あんま見ない方がいいですよ」


 …ちなみにこの二席、ダッチワイフと一緒にカップルシートに座ってるラフ〇エルみたいなマスクの人と、隣で白い目を向けてきてるビックフットのマスク被ったカップルっていう構図です。

 バレたら芸能人生断たれるレベルの痴態。

 後ろからの視線が痛いです。


「…てかなんでカップルシート…私らがカップルに見えてたんかあの店員」

「……いやぁ。これは解釈違いだな(ボソ)」

「……え?はぁとちゃん?」

「推しとファンのガチ恋はちょっと……」


 あれ?はぁとちゃんなんかあんまり喜んでないぞ?


「……なんかごめ…ってなんで私が謝ってんだ!?それにいつ私とお前がガチ恋したよ!?」

「琴音様もう映画始まるんで…しーっ」



 映画はこの前の下見で観た犯罪級につまらん上に野郎が出てくる百合映画。

 案の定つまらないからお客さんぜんぜん居ないし、はぁとちゃんもすぐ飽きてきたし、琴音ちゃんなんて二回目だし…



『……この中に僕のおち〇ちんを切り落とした犯人がいるっ』


 ……あれ?なんか前回と展開が違う?


「…琴音様、今日はありがとうございました」

「様やめてね?」


 ……まぁ、展開が違ってもつまんないのは同じなので、二人はすぐにひそひそ話始めた。


「なんでこんな事なってんのかよく分かんないけど…楽しかったです」

「……私もだよ」


 てぇてぇ。


「3月の『新春!アイドル春祭頑張ってください』」

「うん」


 ……なんか琴音ちゃん、真剣に観てなぁい?


「……自分、琴音様と二人でお出かけなんて…絶対耐えられないと思ってたのに…なんかこんなに仲良くなれて……」

「まぁ『TRY AGAIN』と仲良くしといて損はないからね」


 琴音ちゃんったらツンデレ。てぇてぇ!


「自分、初めてなんです。誰かとこんな風に遊んだりするの」

「え?友達居ないの?」

「メンバーくらいです。……まぁそうですね。あいつらとは遊んだりするけど……うん」

「初めてじゃないじゃん。友達居るじゃん。嘘じゃねぇか」

「いや…あいつらは家族みたいなもんなんで」


 てぇてぇ……

 そう言えば琴音ちゃん、『FOOLS』のみんなの時と比べてツッコみが優しいような…この前楽屋に閉じ込めた後私、ローキックで全治二週間だったのにぃ…


 ……てぇてぇ。


「…私もだよ」


 真剣に画面を見つめたまま琴音ちゃんが返す。絵面はビックフット。


「私も学校に友達いない」

「……そうなんスか」

「『ぽいずんちゃん』だからね」


 琴音ちゃんが自嘲気味に吐いたその一言にはぁとちゃんは琴音ちゃんを見て、俯いて、それからまた顔を上げて琴音ちゃんを見た。膝に置かれた手は強く握り込まれてる。


「やめてくださいよ」

「……?」

「炎上とか関係ないですから…周りが何て言おうと私は『さいたまシスターズ』の『ぽいずんちゃん』が大好きなんです」

「……」

「だから琴音様にでも、そんな言われ方されたくないです」


 ハッキリ口にした言葉は琴音ちゃんの目を真っ直ぐ見つめたまま紡がれた。琴音ちゃんはどんな気持ちでその言葉を受け取ったのか……

 私からは表情は分からない。

 ビックフットだから。

 ……屋内では脱いでくれないかなぁ。


「私は嫌いだった」


 琴音ちゃんはスクリーンに視線を戻してから言った。


「自分が、炎上した『ぽいずんちゃん』が…でも、『ぽいずんちゃん』が居たから今私はアイドルになれた」

「……」

「裏切ったファンにもう一度会って謝りたい…それだけの為にアイドルになった。でも今はアイドルも楽しいなって思えてる」

「……」

「だから今はそんなに嫌いじゃないよ」


 スクリーンの光を瞳に反射したまま琴音ちゃんはマスクの下で薄っすら笑った…気がしたよ。

 はぁとちゃんは琴音ちゃんをじっと見つめてる。


「……そう思えたのは、ずっと私の事好きでいてくれた人がいたからだよ。はぁとちゃん、ありがと」


 はぁとちゃんが俯いた。微かに震える肩が言葉より雄弁に今の気持ちを物語ってる。


 ……てぇてぇ。これはしっとりてぇてぇだ。


 っ!?

 琴音ちゃんがはぁとちゃんの手を握ったっ!?

 これは…あるのかっ!?初デートでっ!?

 いいのかっ!?

 ことはぁでいいのかっ!?


「……琴音様っ///」

「……ファンサ」


 てぇてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!

 ☆3てぇてぇ頂きました。

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