第128話 ……据え膳食わぬは男の恥…か。女だけど
まぁそういう事なんだけど…まだ説明が足りないな。
一陽を休ませる場所として僕が選んだのは…
「なんでラブホなんだよっ!!」
バジェットガエルを脱ぎ捨てた鏑木琴音が『SANCTUARY』の前で叫んだ。マスクを脱いだら急に声量と勢いが増したな…
あ、『SANCTUARY』ってのは歌舞伎町のラブホで、僕がよくファンを食……交流するのに使ってるとこ。
「ここ綺麗なんだよ」
「なんで知ってんだよ!?アイドルでしょ!?アイドルが絶対入っちゃダメなとこじゃん!!」
「そんな事言ってる場合じゃないよ。陽ちゃん、痙攣し始めたよ?」
「ブルブルブルブル」
「…普通にラブボより救急車じゃね?」
まぁとりあえず中で休もうって事で入ったんだけど……
「あーうち、一部屋二人までだから。4人で入るなら二部屋取ってね?」
知らなかった。3P以上できないじゃないかここ。
「…参ったな。次回から新しいホテルを探さなきゃな」
「何の為に!?」
「え?どーする琴音ちゃん…二部屋、取る?」
「なんでだよ!?何の為にだよ!!目が怖いよりあちゃん!!」
3Pでき……間違えた、4人で入れるホテルを今から探すのもかったるい…そんな余裕もないので、とりあえず僕と一陽が入る事になった。
ちなみにどうして僕が付き添いかと言うと……
「ラブボなんて絶対やだ!!」
鏑木琴音が駄々をこねて…
「歌舞伎町のど真ん中で一人きりなんて絶対やだし……なんか……白石さんと一緒に歌舞伎町に二人きりなのもやだっ!!」
鏑木琴音が駄々をこねたから。
……まぁそんなわけで、今僕は一陽と二人でラブボに居る。
彼女の身に一体何が起こったのか…何か持病なのか?
天鬼りあに確認したところ「多分精神的ショックです。私のせいですごめんなさい」って、訳分からない事言ってた。
「……とりあえず、大丈夫なのかな?」
「……キュゥン」
顔色は良くなってきたみたいだ。
やれやれ僕は一体、貴重なオフを使って何をしてるんだろうか……
ストレス溜まってきた。
『FOOLS』はグループ名に違わぬFOOLSだった。この子らは……おかしい。
ミライもはぁとも、この子らがなんか…特殊な脳波でも出しててそれに当てられておかしくなっちゃったんじゃなかろうか…
「……ビジュはいいだけに残念だな」
謎の発作によりベッドで横たわる一陽を見下ろしながら、思う。
デビューライブでヅラぶん投げるアイドルなんて聞いた事ない。この子らはネタ路線でこのアイドル業界を突っ切るつもりなのか……
……
それはそれとして、美少女とラブボで二人きり…か…
「……据え膳食わぬは男の恥…か。女だけど」
ラブボで無防備を晒す美少女…これは誘ってる。連れ込んだの僕だけど、誘ってる。
ヅラなのはこの際我慢しよう。うん。
「陽ちゃん、これから君に成す事…それは全て君を介抱する為であって、決して下心はないからね?」
「……クキュウ」
「苦しそうだ。汗を流した方がいい。そうしよう」
「……クキュル」
「いいかい?君はシャワーを浴びる為に服を脱がなくちゃならない。そして君にシャワーを浴びさせる為に、僕も脱がなくちゃならない」
「……キューン」
「……いいね?その結果不可抗力で君の身体に触れてしまっても、それは仕方の無い事だ。いいね?」
「……キュルキュル」
「……可哀想に…今楽にしてあげるからね」
楽しくなってきたぞ♪
白石レオ、業界内での異名は『ファン喰らい』『雑食』『永久発情機関』。
そんな僕とホテルに入った時点でもう同意してると言っても過言では無い。
僕の本性を知らなかったとしても、それは知らない君が悪い。知りませんでしたは通じない、それが芸能界だ。
「では失礼して」
舌なめずりしながら無抵抗な一陽のズボンのベルトを外す。
「ウゥゥ」
「少し意識がはっきりしてきたみたいだね。でももう遅いよ。ほら……ズボンが脱げるよ……」
「……ゥ…ウ?」
「恥ずかしがらなくていい。僕に身を委ね……ん?」
ボクサーパンツ…だと?
真っ白な太ももの付け根から腰までを覆うのは明らかな男性用下着だった。
まぁ……そういう女性も居るだろう。
「意外だね。こういう下着つけてるんだ?可愛らしい見た目の割に……ふふ」
「……????」
「大丈夫、嫌いじゃないよ。さて……焦らしてもいいんだけど、時間もないし……」
太ももの感触は見た目通りの柔らかさだ。指に力を入れたら沈んでいく。でも、だらしない贅肉の付き方ではなく、適度に鍛えられたアイドルの脚。
もう僕のエンジンは全開だった。
「ぐふふふふっ///同業者と寝るのは初めだよ陽ちゃぁん」
「……え?へ?え!?」
完全に正気を取り戻したらしい一陽が目を白黒させながら、部屋と僕の顔を交互に見つめてる。ようやく取り戻した正気も、突然の事態に再び混乱の渦中だ。
そして……もう遅いっ。
「ではいただきます」
「は?え?ちょっ待っ……っ!?」
太ももに這わせた手をそのままボクサーパンツの中に滑り込ませる…
そして乙女の秘部へと僕の黄金の指が到達し……
ムニュッ
「……ん?」
なんだ?この股間に感じる生温かくて柔らかい感触は……
一陽の顔が赤いインクでも被ったみたいに紅潮していく。
完熟トマトみたいになってる彼女が固まってる中で、僕はボクサーパンツを一気に引き下ろした。
……あってはならないモノがあった。
それは乙女の下腹部に鎮座してちゃいけないモノだった。
僕の脳内回路が情報を処理しきれず、ショートした。
「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
「ひゃあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?!?」




