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【5】裏話:『波紋』


「……おい、あの書簡を読んだか?」

「ああ……聖(ひじり)のやつか。……読んだ。惨(むご)いな」

「温厚な緑の長老が吠えたらしい」

「血気盛んな赤の若造が静かすぎて逆に怖ろしい」

「紫は……ああ、そうか。あそこの若竜が見つけたとか」

「黄も珍しく同色種血族会合を開いたとか。さてはて……」

「……黒はどう出るつもりか」

「黒はな。仔ができたばかりであろう」

「まだ十(とお)の嬰(エイ)竜だったか。百年ぶりのことだ。同色連中は側を離れまいよ。まして、かように惨い悪事があったとなれば、守護の強化に専念せざるをえまい」

「そうだな」

「そうだ。……ああ、そういえば例の仔も」

「そういえば……十(とお)ぐらいらしい、な」

「惨いな」

「惨い」

「では、我ら青は―――」


ひそりひそりと噂話は広まる。色とりどりの鱗を持つ、未来ある小さき同族をこよなく愛する竜たちに。

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