二十二
「ナダレのカードには何で名前がなかったの。」
ストレートに私は聞くことにした。遠回しの言い方なんて私は知らないし。
「教えといたほうがよさそうかの。一応知られてしまったのじゃし。まあ、簡単なことじゃ。儂には名前なんてものはない。ナダレというのも便宜上つけたものじゃからの。それには本名が乗るから表示されないわけじゃ。」
へえ。私は自分のカードを見てみる
NAME クオン=ヤギリ
old 19
class E
occupation 剣士
確かに本名で表示されている。入国証代わりになるからかな。
「儂はそもそも名付け親すらおらんのでな。じゃから名前なしのまま集落にいるのは不便じゃったから外の世界に出たのじゃ。今は結構充実しておるがな。まあ近くの村のものは儂をエルフ様と呼んでおったしな。」
ナダレって様づけで呼ばれてたんだ。私の時はナダレのことをエルフ様と村の人は呼んでなかったのになぁ。
「じゃあナダレはこれからもナダレって呼んでいいんだよね。名無しの権兵衛とかじゃなくて。」
「うむ。ナダレでよい。今はそっちのほうに慣れておるからな。様づけなどむずがゆくなる。」
よかった。様づけってめんどくさそうだし。語数増えるのも嫌だったしね。
「まあおかずをもう半分貰うとするかの。」
「えっ、それ聞いてないよ。」
「まあ、今決めたからの。聞いた代金じゃ。これでも安い方じゃぞ感謝せい。」
「また~。そういう時は早くいってよ。」
またおかずが減る。一日だけなのが感謝することなのかな。




