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Heart〜急に他人の心の声を聞けるようになった俺は、色々と企むことにした  作者: くろくまくん


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24/25

鍋パしたい!買い物いこ〜

サチが寝てしまったあと、シンジから電話がかかってきて、少し話した俺。


東京に一緒に行くのもいいのかな。


それとも……。



◯登場人物


松岡まつおか 修二しゅうじ 23歳

無職。人付き合いが苦手。

急に他人の心の声を聞くことができるようになる。ボリューム調整可能

新能力、心の声に返事できるようになった


さち 17歳

博打帰りの夜中に彷徨っていたのを拾った。

謎の女の子。ひょんなことから、家にかくまうことになった。

 俺は少しサチの心に照準を合わせ、心の耳をすましてみた。心の耳という表現が合っているかはわからん。


‐がんばれのキーホルダー、すごく嬉しい


 これはサチが強く思っている声、なのかな。


「そうか、よかったな」


 俺はサチを起こさないように小さな声でつぶやき、俺も少し仮眠をとることにした。


 サチ。きっとお前を守ってやる。



◇ ◇ ◇



 少しだけ仮眠するつもりだったが、いつの間にか寝入ってしまっていた。


「お腹すいた〜」


 横を見ると、サチが起きて座っていた。


「今何時だ……夜の19時か。変な時間に寿司食ったからなぁ。あそこの牛丼屋でも行くか?」


「なんか家でご飯作りたいかも」


 そんなこと言われても、ガスコンロとオーブンレンジと電気ケトルがあるだけで、ちゃんとした調理器具もない。冷蔵庫はあるが、もちろん食材はほとんど入ってない。自炊をほとんどしないからだ。


「え、この家にあるもので作れるのって、何があるんだ逆に。フライパンと鍋はあるけど……あ、ホームセンターで鍋とカセットコンロ買って、鍋パーティーでもするか?」


「あっ、鍋パしたい〜! 買い物いこ〜」


「野菜とかたまに食べとかないと、なんか栄養偏りそうだしな。よし、そうと決まったら買い物だ」


 サチの父親のことが少し気がかりだったが、それは明日でもいいだろう。すぐに大阪を離れないと、ということはないはず。すでにあれから二週間くらいは過ぎているからな。俺とサチは22時まで営業している家の近所のホームセンターに出かけることにした。


何鍋なになべがいいかなぁ〜。私はお豆腐が好きだから、シンプルな味付けがいいな」


「俺、ホントに料理は全然できないからよ。もうそのあたりはサチに任すわ。まぁなんとかなるだろ」


 あともう少しでホームセンターに着くかなというところだった。


‐サチ……見つけたぞ


「!!!」


 ものすごくドス黒い声。怨念おんねんというか、なんというか。激しい憎悪ぞうおが入り混じったような心の声が。


‐アイツの娘……


 ホームセンターの周辺は人が賑わっていて、どこからの声かがはっきりとわからなかった。


「サチ!! 俺のそばにくっついていろ!」


 サチはなんだかわからない困った顔をしている。どこだ? どこだ? こんな時にこの力は上手く働かない。いつもなら、激しい感情で放たれている声はすぐに分かるはずなのに。


‐殺す……


「シュウジ……?」


「もしかしたら危ないかもしれない。俺にくっついておけ。暗くて周りの人間がよく見えない」


 無言でうなずくサチ。


 右か……左か……こんな時こそ、俺の力を最大限に働かせるんだ。このドス黒い声の持ち主の場所…


‐死んでつぐな


「サチ!!!」


 見えていなかった。後ろの暗がりから近づいていた、黒ずくめの男。その手にはナイフが握られていて。その先端は、俺のそばにいるサチに……


「シュウ……ジ……」


 その時。何故なぜか全てがスローモーションで……



『オムライスとチョコレートパフェがたべたい』



 あぁ……はじめて会った帰りに、一緒に行って食べたよな……



『ジロジロみるな、気持ち悪い』



 お前の心の声はいつも毒舌だったよな……



『わたしのこと、助けてくれるって言った』



 そうだ、俺はお前を助けると言ったんだ……



『お出かけだから、スカート履いていく』



 スカート姿、似合ってた……



『私はこのシュウジにもらったやつのほうが、嬉しいよ』



 がんばれ馬券、喜んでくれたよな……



『私、遠くに行きたいかも。私のことを誰も知らない遠く』



 そうだ、お前がこう言った瞬間にすぐに遠くへ行っていれば……俺のせいだ。全部俺の……



「サチーーーーーっ!!!」




ふいに現れた黒ずくめの男に、


サチは刺された。


俺のせいだ。完全に、俺のせいだ……。

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― 新着の感想 ―
え? え⁉️ (´⊙ω⊙`)! 急展開で驚きました。 これから幸せな未来が待っているはずだったのに、こんな一瞬で閉ざされてしまうなんて……。 (´;ω;`)
わぁー楽しい鍋が!(ᗒᗩᗕ) サチちゃんが! 駄目ですよ〜助けてあげて欲しい!
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