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Heart〜急に他人の心の声を聞けるようになった俺は、色々と企むことにした  作者: くろくまくん


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16/25

オムライスとチョコレートパフェがたべたい

謎の逃亡女子に、おっちゃん呼ばわりされる俺。


俺まだ二十三歳だぞ。


てか、どうすんだよ、こんな女の子拾ってしまって……


◯登場人物


松岡まつおか 修二しゅうじ 23歳

IT企業勤務、システムエンジニア

人付き合いが苦手

急に他人の心の声を聞くことができるようになった。ボリューム調整可能


謎の女の子 ?歳

自宅に帰る途中に出くわす。

助けて、殺されると物騒な心の声を発する。

‐おっちゃんの声?? おっちゃん……誰?


 おっちゃんと来たか……俺まだ二十三歳なんだけどな。


『んーと、そうだな……あ、俺はな。匿名希望とくめいきぼうのヒーローだ、よろしくな』


 それを聞いた女の子は、なんだか妙な顔をした。なんだよそれ。スベったみたいに見ないでほしい。


 まぁいいか。その妙な顔が、怖がったり怯えたりしている顔じゃないことは確かだ。とりあえずどうするか……家の近くらへんまで来たらまずメシかな。腹減ってるみたいだし?


「あ、すみません。この先の信号を左に曲がったところにある、ファミレスで停めてもらえますか?」


「あっ、はい〜わかりました」


‐ようやく解放されるわ……なんか怪しい客には関わりたくないわぁ〜


 怪しい客で悪かったな。ファミレスの駐車場に停めてもらい、女の子とタクシーを降りる。チップ代わりも含めて、少し多めに三万円渡しておいた。


「えっ! えっ! そんな貰っていいんですか? おおきに〜!」


 なんだよ、現金なやつだな……。やっぱ金かよ。


「腹減ったんだろ? ここで食べようぜ〜、俺も腹減ったわ。あ、大丈夫か? ケガは……してないか?」


 女の子は無言でうなずく。歩くのはゆっくりだけど、警戒はしてないようだ。入ったファミレスはどこにでもあるチェーンのファミレスだった。24時間のファミレスが俺の家の近所にあるのだ。


「二人ね〜、喫煙で」


 監禁された時からタバコを吸っていないから、まず一服したい。


「なんでも好きなん頼みな〜、俺はとりあえずカツ丼頼むわ。あとでデザート頼もかな。あとドリンクバーね」


 灰皿を取ってきて、タバコに火をつける。そういえばこの女の子、名前なんていうんだろ……てか、誰かもわからんし。タバコを吸ってる俺をじっと見つめる女の子。ん? なんなんだ……


‐タバコ……嫌い


「え。タバコ苦手なの? ……えーと……あぁわかったよ。ちょい待ってな……」


 ひと口だけ吸ったタバコを灰皿で消し、店員を呼ぶ。


「あ、ごめん。申し訳ないんだけど、禁煙席に変えてもらってもいいですか?」


 深夜……というかもう早朝になるかもだけども、こんな時間だから、席は空いていた。混んでる時間帯だと、絶対目立っただろうな。


「あー、えっと……とりあえず注文をするか? それか代わりに頼んでやろうか?」


‐オムライスとチョコレートパフェが食べたい


 おー、便利な心の声だねー。というか直接話すよりもいいねぇー。皮肉な言葉は心にしまい、仕方なく俺は店員を呼び、その二つとドリンクバーも頼んだ。


「飲み物は何がいいんだ? 寒そうだったから温かいやつにするか?」


‐コーラの氷なし


『はいはい、わかりましたよ』


 もう声に出すのも面倒臭くなってきたから、俺も心の声で返す。なんだこいつは。


 ドリンクバーコーナーで、コーラと、俺は水をくんだ。俺は、コーヒーとかは食後に飲みたいタイプだ。


「カツ丼とオムライスお待たせしました。パフェは後ほどお持ちしますか?」


「あ、うんうん、後でまた言うわ。ありがとね」


 女の子は無言でオムライスを食べる。まぁまぁ早いな。お腹空いてたんだろうな。


「話せないだろうし、言わなくてもいいけどよ……名前というか、呼び名くらい教えてくれてもいいんじゃない? 俺は……シュウジだ」


「むぐ……サチ……」


「ん? サチって言うのか? あ、デザートもう頼んでおくか。俺は何にしようかな〜。あ、これにしよ、チョコレートを上からかけるサンデーにしよ」


 デザートを店員に頼み、俺はホットコーヒーを入れた。女の子はコーラのお代わりを入れた。


「で、どうしたん。なんかあったのか? まぁ……なんか大変そうだけども」


 サチは嫌な顔をした。


‐今は話したくない


「はいはい、わかったよ。ほらデザート来たから食えよ」


 チョコレートパフェと、ホットチョコレートサンデーが来た。ここのサンデーに温かいチョコレートかけるやつ、美味いんだよな。かけたらパリパリのチョコになるんだよ。サチはデザートを見て、嬉しそうな顔をした。はは、こういうとこはちゃんと女の子だな。


「うまっ!このな、温かいチョコかけて、アイスに付いたチョコがちょっとパリッとなるのが、またいいんだよ」


 サチはジロジロと俺のデザートを見る。


‐私もそれ食べたい


「お前はそのパフェがあるだろ。人の食べかけはあまり欲しがっちゃダメだぞ〜」


 サチはしゅんとした。なんだよ子供かよ……まぁ……子供なのか。


「もうしゃあないな……ほら食えよ。半分やるよ」


 嬉しそうな顔をした。俺も釣られて笑ってしまった。


「急がなくていいからゆっくり食えよ。あ、今さらだけど……帰るところあんのか?」


‐たぶん、ない……


 まぁ……そうだろうな。事情はわからんが。んー、さすがに未成年を俺の家に入れるのはまずいか……


「俺はどっちでもいいんだけども、とりあえず家にくるか?」


「おっちゃん……助けてくれるって。言ってくれた」


 さっきのタクシーでのことか。まぁ……そう言ったな。


「あぁ。事情がわかった方がもちろんいいけども。どっちにしても、今かくまってほしいならとりあえず来いよ」


 サチが俺をじっと見る。


‐えっちなことするでしょ


「しねえよ! てかガキがませた口聞くなっての」


 んー、なんか図々しいのか、ビビリなのかよくわからん女の子だな。お腹いっぱいになったのか、あくびをしている。俺も眠たいよ。だいぶ疲れたからな。


「まぁとにかく帰ろうぜ。これからのことは明日考えよ。俺もめちゃくちゃ眠たいわ」


 ファミレスを出て、俺の住むハイツはすぐなので、歩いていく。


 なんていうか……これからどうしようか。てか帰るところないんだよな、コイツ。と、こんな時間にメールが来た。


『シュウ兄、さっき子供うまれたよー』


 

とりあえずファミレスで腹ごしらえをした俺とサチ。


さて、これからどうするかな。


あ、シンジ、無事子供産まれてよかったな。凄いタイミングで聞いてしまったけど。


挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
心の声があると便利ですね〜。 遠慮していても諸々分かるし。 それにしてもシュウジは太っ腹だぁ! ヾ(・ω・*)ノ イラストもめちゃ美味しそう。 ……だけど、コーラに氷が入ってる! ダウトーーー! (…
しばらく心臓に悪い展開が続きましたね。人間怖いです……。何とか助かって良かった……。女の子の名前が不穏なのですが大丈夫でしょうか?
タクシーの運転手に3万円なんて太っ腹ですね。 シュウジはケチでないのが気持ちいいですね。 (*^。^*) サチちゃんにチョコパフェをあげるシュウジもいい奴。 シュウジは心の声がなければ良いパパになれ…
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