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洋菓子の日(九月二十九日)



 洋菓子の日なんで、お菓子を持って来た、と言ったのは何故か遥くんだ。でも、晃(あきら)くんと聖良(せいら)ちゃんも一緒の時点でこれは晃くんの手作りだよね。いつもの、なんで、遥が威張るかな、って嘉(よし)くんに言われている。


 大天使ミシェルの聖名祝日で主にフランスでは大天使ミシェルが菓子職人たちの守護聖人とされていることにちなんで、三重県の洋菓子協会が記念日を制定したそうだ。


『ガトーショコラ』と『サン・ミッシェル』という名のケーキやビスケットは大天使ミシェルから名付かられたとされているようだ。ガトーショコラは名前を聞いたことがあるね。『ガトーショコラ』がケーキで、『サン・ミッシェル』がビスケットだそうだ。



「麻衣ちゃん」

「ごめんなさい」

「まぁいいんだけどさ」

「これは?」

「うん、『ガトーショコラ』と『サン・ミッシェル』だね」



 チョコレートケーキが登場したんだけど、これ、ホールなんですけど。嘉くんも私も思わず嫌な顔しちゃった。それを、晃くんに苦笑された。ビスケットはいただこうかな。でも、一緒に来た遥くんは食べる気満々で一緒に持って来てくれた紅茶の缶をテーブルに置いた。これ、五人で食べるのか。残ったら持ち帰ってね。



「ま、いいや。遥はお茶を淹れる」

「おう」


「聖良は、食器準備して」

「はぁい」



「麻衣は、ビスケットを皿に移して」

「了解」



「晃は、ケーキ切って」

「ああ」



 一人一人の指示を出して、嘉くんは、コーヒーを淹れ始めた。晃くん、私少しで良いからね。美味しそうだけど、そんなに要らない。



「遥も買って来るって言ったんだんけど、止めた」

「晃くん、グッジョブだよ」

「で、味聞かせて」

「うん」



 そうだよね、手作りなら味の感想が気になるよね。あまり、お菓子は作らないって言う割には、手の込んだものも多く、みどりさんのお菓子に引けを取らない味だ。実家のカフェでもお母さんと二人で、厨房に立って料理やお菓子を作るのでプロの味だ。


 お、硬いのかなって思ったけど、しっとりしていて美味しい。チョコレートはなめらかで、甘味も抑えてるようで食べやすい。一緒に付けてくれたホイップクリームも私が甘いのは嫌だとわかっているので、そっちも甘さ控えめだ。

 コーヒーにもよく合うんだけど、遥くんはお茶にも合うって言っている。残しても良いからって、六等分されたケーキなんだけど、一ピース食べ切ってしまった。五人なので、六等分して残った一ピースは遥くんのお腹におさまった。



「晃くんの、お菓子も美味しい。やばいな、今日はこれから散歩する」

「麻衣ちゃんは、少し太った方が良いけどな」

「お菓子で太りたくはない」

「それもそうか」



 と言うか、遥くんは動いた方がいいよ。秋は美味しいものが多くて、誘惑に負けてばかりいるって言ってたからね。遥くん、帰りは一駅分歩くといいよ。



 2026/09/29 活動報告掲載

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