↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
379/539

和菓子の日(六月十六日)



 和菓子の日は、全国和菓子協会が昭和54年に制定した記念日で毎年6月16日だ。平安中期に国内に疫病が蔓延して、仁明天皇は年号を嘉祥と改め、その元年の6月16日に、16個の菓子や餅を神前に供えて、疾病よけと健康招福を祈ったとされるようだ。天皇って、何か悪いことがあったりすると年号を改めることが多いよね。あんまり、使われているのを見ない、嘉(よし)くんの漢字が出てくるので、嘉祥って言う言葉は覚えた。


 これを起源として、6月16日に厄除けや招福を願って菓子を食べる『嘉祥菓子』の習俗が、形を変えながら、平安期から中世、近世まで存続したみたいです。江戸幕府においては、6月16日を嘉祥の日とし、お目見え以上の身分のものには大広間で和菓子が与えられた。全国和菓子協会は、こうした故事にちなみ、日本の食文化を後世に伝え残すために努力を積み重ねることを目的として、この記念日を制定した。後世に伝えたられているのが、このお菓子になるわけだね。



「少しでもうちの店が役に立っているといいね」

「遥くんもおじいさんからお父さん、そして、光(ひかる)さんに受け継がれているじゃん」

「ああ、多分、理人も継ぐの考えているみたいだしな」

「へぇ、そうなんだ。そっか、理人くんも和菓子作りするんだね」

「ずっと手伝っているし、見て覚えるものだろ」

「うわ、職人さんだ、すごいな」

「それ言うなら、麻衣ちゃんもだろうが」

「ん? なんの職人??」



 思いつかないぞ。歌手は職人では無いでしょ、そう言ったら、違うと言われた。歌手ではないのか。それなら、なんだ。



「野菜作る職人」

「農家は職人には入らないかな。それに、ブランクあるし」

「農業でもしばらくやらないとブランクって言うのか」

「多分?」

「適当だな」



 やればできるけどね。私と違って毎年やっているうちの実家はいつもお疲れ様と言いたくなる。一番のプロで、職人はうちの父だろう。

 遥くんが今日持って来てくれたのは、食べるのがもったいない色鮮やかな紫色の紫陽花がモチーフになった紫陽花餅だ。これは、去年と一緒で、この日になると、遥くんのおじいさんが作ってくれる。私だけのための色だそうだ。普段、お店で販売されるものとは違って、造形がここまで細かくはない。大量生産するものだからね。少しでも、手間がかかるものは避けるだろう。



「遥くんのおじいちゃん、いただきます」



 そう言って、私は美味しい和菓子を堪能するのだった。



 2026/06/16 活動報告掲載

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。