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謁見


 一度王城へと向かい、シャラナーダ、ダリア、ジューダ、クリュッセル、ラスティーク、ガスティン、エトワールの7名で謁見を行うこととなった

 クリュッセルとしては遠慮願いたい事であったが、国王陛下からの命に背くことは出来ない。若干足取りは重いが、ロゼールが別れ際に『寮でお待ちしておりますわ!』と笑顔で話していた事とラスティークと共に歩んでいる事を思い出すと気持ちが軽くなるどころか右肩上がりになる

 (謁見のマナーとかはよく分からないけど、ラスティーク様と並んで歩けるなんて……!)

 そんな事を思いながら歩き続けて約10分。広間の前に着くと緊張の糸が貼り詰められていることを感じ取り、若干崩れていたクリュッセルの姿勢はピンとなる

 扉が開かれると、王座にはキュリオス国王陛下の姿がある。広間の半分ほどまで歩み、全員で礼をして片膝をつくと、シャラナーダが声高々に宣言する

 「本日、無事に王国の危機を取り除き、死者0名で王都に帰還したことをここに宣言します!」

 シャラナーダが宣言した後、全員で更に深々と頭を下げると、キュリオスは一連の流れについて説明するように促す

 そこからクリュッセル達が発言するまではあっという間だった。大まかな流れを話し、全員が猛吹雪で逸れた後、何故か森に入っても入口に戻されることや一向にクリュッセル達が森から出なかった事、ようやく姿を現したかと思うと竜精霊と共に現れ、クリュッセルと契約をしたと言うことを報告すると、次はクリュッセル達に説明を求める

 3人は面を上げると少年と獣の精霊に碧の洞窟に案内された事や魔物たちと戦闘になったこと、竜精霊が自ら死を望み、ガスティンの手にしていた剣で身体を穿いて一度は死んだ事、案内をした精霊達が自らの命を削りながらも竜精霊を助けた(きゅうさい)したことを話すと国王陛下は興味深そうに目を細めた

 「ふむ……そのような事があったのか。報告、ご苦労である。本日はもう下がれ。竜精霊様はこちらに残っていただきますがね」

 そして、エトワール以外を下がらせて寮や教会へと戻した


 「エトワール、粗相をしでかさないか不安ですわ……」

 「そんなに不安なのか?あの方は礼儀正しい方だと思うのだが……?」

 ガスティンが心底不思議そうな顔をして問いかけるとクリュッセルは赤べこのように頭を上下させる

 「勿論ですわ!だってエトワール、ベッドに飛び込むし、床でゴロゴロと寝始めたりするんですもの。しかも人の姿で」

 後半は死んだ魚のような目で語るクリュッセルにガスティンはこれ以上掘り下げることをやめた

 馬車に乗り込み、一足先に寮へと向かうクリュッセルの胸は『どうかエトワールが粗相をしでかしませんように』という不安と同じ馬車になったラスティークへの思いていっぱいだった



──謁見の広間──

 両者共にじっと見つめ合う時間が流れる。エトワールはつまらなそうに肩の力を抜いていると、キュリオスが口を開いた

 「本日、貴方様にこちらに残って頂いた事には1つ理由があります。先程の報告で死を望んでいたとありましたが、本当でしょうか?」

 国王が取るような態度とは思えないほど丁寧な対応にエトワールは目を若干見開いて驚くが、直ぐに表情を戻す

 「えぇ。あの時は身体中が痛くて、辛くて早く解放されたかったからですね」

 ニコリと顔で笑うと『これで条件は満たしたから帰らせてもらおうかな』と告げて出口に手をかける

 キュリオスは一度呼び止めると礼をした

 「本日は私めのような者に時間を割いて下さり誠にありがとうございます」

 心からの感謝に聞こえたそれにエトワールは後ろを振り向く

 「契約者のためでもあるから、当たり前のことをしたまでですよ。国王陛下?」

 エトワールはそういうと瞳孔を少し細めて何かを見極めると、謁見の間を後にしてクリュッセルの後を追った

敬語ってやっぱり難しいですね。次回は学園に戻ります!リャイナ、貴女の出番もあるわよ!

ということで、次回は日常編に戻ると言っても寮でのお話の予定です。楽しみにしていてくれると嬉しいです!


↓↓↓作者の一言

 最近とんでもなく暑いので、節電するためと言ってクーラーを消すのは自殺行為なのでやめてくださいね。東北ですら暑すぎて溶けそうです。冷たいの、大事。個人的なおすすめはお風呂の時にシャワーで水浴びをすることです

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