帰路につく 3
ノースフィールの街へ行く途中の馬車の中では、ラスティークがはぐれてからのラパンレシの森での話を2人から聞いていた
「そういえば、私たちが貴女たちから離れてからどうなっていたの?森の奥深くまでとは言わなくとも大分深いところまで歩いていたでしょう?」
「……実を言うとラスティーク様やクリュッセル様、ガスティン様と離れてから私たちもそれぞれ4,5名ずつになってはぐれておりましたの。私はフィリオス様とライル先生、ラヴォユム様、ツーシム様と一緒でしたのでスノウベアに遭遇しても冷静に対処が出来て良かったですわ。その後、ひたすら前に進んで崖か川を探していたのですが、気がついたら森の外に出ていましたの」
ロゼールが心底不思議そうに語るとダリアも同意するように頷く
「こちらもロゼール様が話した内容とほぼ同じです。私はパピー様とコリン様、イメリード様、シュヴァラン様と共に行動をしていたのですが、その際にサーペントネージュに遭遇しました。通常個体の2倍近くの大きさでした。……アレが纏っていた魔力からすると恐らく精霊を喰らいながら力をつけていたのでしょうね……」
その言葉に身体が震え、ラスティークは少し目を逸らした。その様子をみてロゼールが問いかける
「そ、そう言えばラスティーク様とクリュッセル様とガスティン様はあの吹雪の後、どうなっていたのですか?」
少しでもこの恐怖から逃げるために話を始めるラスティークはロゼールにほんの少し感謝の気持ちを抱きながらガスティンの語った森の逸話や出会った精霊たち、碧の洞窟での話を話す。話を振ったロゼールは勿論のこと、ダリアも話にすっかり惹き込まれ、先程までの少し重く、不穏な空気は嘘のようになった
しばらく馬車を走らせているとクリュッセルが目を覚ました
「……ん〜。はっ!わ、私大分寝てたのかしら!?か、身体が……痛くない……?」
「クリュッセル様!お目覚めになられたのですね!良かったですわ!ちなみにクリュッセル様が眠ってからだいたい……」
ロゼールが少し考え込むと、ラスティークが小型の懐中時計を取り出す
「……2時間ですわ。まったく……貴女、時計くらい持っていなさい」
呆れ気味にそう教えると、ダリアは心配そうにクリュッセルを覗き込む
「本当に大丈夫ですか?同じ姿勢で寝続けていたので身体が痛くなったり、怠くなってはいませんか?」
「えぇ、大丈夫ですわ。ご心配ありがとうございます。……そう言えば、とても素敵な夢を見た気がするんですの……」
目を瞑りながらそう話すとロゼールが身を乗り出す
「ぐ、具体的にどの様な夢か覚えていますか!?」
目を輝かせるロゼールにクリュッセルは少し驚くと、話した
「……あまりハッキリ覚えているわけではないのだけれど、心地良いそよ風が吹いた様な、綺麗な女性が近くに居たような……そんな夢でしたわ」
(夢の中の女性からはどこか優しく哀しい空気を感じた。今までの覚えていた夢には意味が多分あった。だから、きっとこの夢にも何か意味がある筈)
少し考え込みながら顔には一切出さずに笑うと、ロゼールは興奮したように腕を上下にぶんぶんと振ると、何処からか取り出した手帳とペンを構えていた
「クリュッセル様、そのお話、覚えている範囲でできるだけ具体的に教えて下さいませんか!?」
まるで学校新聞の記者が執念で記事を書き上げる為のネタを見つけた時かのようないい笑顔で見つめられたクリュッセルは思わず笑顔になりながらその言葉に頷いた
その後、数日馬車で走り続け、エトワールの猫姿も板についた頃にはノースフィールの街に着き、アルクトウルス伯爵とイヒカ伯爵夫人が出迎え、竜精霊の脅威が去ったことを伝える
「良かったです……これで、今年も作物が無事に育ちます……」
と、言って2人は涙を流して喜び、全員を伯爵邸へと招き入れ、ささやかなパーティーが開かれた
翌日、クリュッセルたちは伯爵に別れを告げてもう一度馬車に乗り込んで南下して行く
王都まであと約1週間
あんまり進みませんでしたね……(^^;
次回こそはルメットの街に行ってムクノキ近くの観光を書きたいと思います!!
↓↓↓作者の一言
今日は土砂降りからの晴天でした。某ボカロ曲かな?と思いました
もうすぐ衣替えですね!湿度も高く、ジメジメとした天気が続くのかな〜なんて思いながら過ごしてます。読者の皆さん、お互いに体調に気を付けて過ごしましょうね!
それではまた来週( ´ ▽ ` )ノ




