文化祭回り 1
「残念でしたわね。素晴らしい舞台を演じていたのに」
「全く、本当にそうですわ!」
「まぁ、確かに悲しさはあるけれど、私としては命が助かったから……」
「ですね。クリュッセル様の頭上に落ちていたら僕たちは勿論、観劇者の人たちにも相当深いトラウマを刻んでいたでしょうから」
4人がサロンに向かいながら口々に零す。傍らにはすると、ばったりシャラナーダら生徒会のメンバーと会った。
フィリオスは『あ!』と声をあげてラスティークにつかつかと歩み寄る。
「姉様!確かに僕は男装の為に服を貸すとは言いましたが、先輩が男装するとは聞いてません!」
「あら、別に私が男装するとは言っていないでしょう?」
「っ、それは、そうですが……」
事実にフィリオスが言葉を詰まらせると、ラスティークが小さな声で尋ねた。
「何?もしかしてあの子の男装に見惚れちゃったのかしら?」
「〜っ!!うるさい!別にそんな訳じゃないです!ぼ、僕は単に姉様が男装するかと思っていたので驚いただけです!」
頬を赤くしてそう言い張るフィリオスにラスティークが笑うとフィリオスは頬を掻きながら問い返す。
「……そう言う姉様こそ、先輩の男装に見惚れたりしたんじゃないんですか?」
「……べ、別にそんな訳無いわよ!確かに触れ合って踊りはしたけど、そんな訳じゃ……!」
姉弟でそんな話をしている脇で3人はガスティンらと対話をし、エトワールがシャラナーダの肩に止まると小鳥に変化した状態のままで話始める。
「なぁ、ひとついいかな?」
「と、鳥が喋っ……!?」
「君も知ってるだろ?そこの契約者の精霊だよ。全く、長寿或いは上位の精霊でもない動物が人語を解する訳が無いだろう?」
「そうですが、実際に目にするのは初めてで……いえ、実物を目にするのは初めてで……」
「そうか。まぁいい。……先程の演劇でライトが落ちてきただろう?あれは人為的なものだと思う。とは言っても証拠を掴んだ訳では無いが……まぁ、状況証拠的には九分九厘そうだろうね」
もう片方の肩へと飛び移るとシャラナーダが口元に手を当てながら呟く。
「なるほど。やはりそうでしたか」
「やはり。と言うならなにか思い当たる節が?」
「えぇ、この学園の物は特に強い衝撃や何らかの細工をされない限りは壊れることはありませんから。とは言っても、“何もしなければ”というのが前提条件ですが」
「なるほどね。万全では無いわけだ。まあ良い。今回に関しては契約者に怪我が無かったから良いけれど、これからはどうなるか分からないわけだし、手っ取り早く犯人を何とかして欲しいな。伝えたいのはそれだけ。じゃあ、こっちはあと契約者達と回るから」
シャラナーダの返事を聞くことなくエトワールがクリュッセルの肩へと戻る。
その後、クリュッセル達が着替えの為にサロンに戻り、着替え終えるとクリュッセル達は展示を回るためにペアを組むことになり、どのようにして決めるべきか少し悩んだ末にクジを引いて決めることになった。
短いですが久しぶりの更新です。
もうちょっとだけ、文化祭は続きます。
(更新がスローなので何ヶ月になるのやら……)




