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いくつかの問題

ここから徐々に暗雲ただよいます

「なるほどね~先代の精霊ね~」

「はい、出来ればソフィア様のお気持ちをお伝えできないかと思いまして」


やって来てくださった精霊さんに、この日のソフィア様の話をしてみる。

精霊さんはクッキーをもぐもぐしながら聞いてくれた。


「そもそもなのですが、精霊さんとソフィア様とお話していた精霊さんは別の方ですか?」

「うん、そだよ~。巫女がかわるとね、お告げ担当の精霊もこうたいなの!」

「そうだったのですか!?」


精霊という存在は、やはり複数いて、しかもそれぞれに役割があるということだ。

これはもしかして新しい発見なのでは?

屋敷に戻ったらルーベン様に報告しなくてわ!


「いまの担当はね、やりたい子おおくて、くじびきできめたんだよ~。ぼく、ラッキーでしょ?」


国の大切なお仕事であるお告げの担当が、まさか“くじびき”で決まっていたとは…。


「なんで前のひとは交代だったんだっけ~昔、きいたような…」

「前のお告げの担当の方がどなたかご存知なんですか?」

「…だれだったっけ…」

「精霊さん…」

「大丈夫だよ!だれかしってる子がいるはずだし!ほら!ぼくラッキーだから!」


「まっかせてよ~なるようになるさ~」と言いながら精霊さんは早々に帰ってしまった。

一抹の不安はあるが、悩んだり驚いたり、私も疲れてしまった。


まぁ、悩みすぎもよくないのかもしれない。

精霊さん風に言えば、『なるようになる』と信じて今日は休むことにした。


~・~・~・~・~


「巫女の偽物、ですか?」


ルーベンは王城の神官長室で、側近でもあるトラッド・カーサ伯爵から「報告とは別ですが…」という前置きの後に続いた話だった。


「はい、王都から少し離れた地域で天色の髪と瞳を持つ女性が目撃されていまして、なんでもその女性が病を治してくれるのだとか」

「病とは先程の報告にあった、突然血の気が引き、起き上がれなくなるという、例の病のことですか?」

「はい、その病の人の家に突然その女性が現れて、病気を治して帰ってくのだそうです」

「そもそも、巫女にそういった力があるわけではないのですが」

「はい、ただ国民皆が巫女の力を正しく理解しているわけではありませんので」


神託の巫女の能力とは、精霊と会話ができることだけだ。

それだけでも十分神がかっているが、加えて病を治すことができるという話は過去なかった。


フェリスティア嬢がエスプリ城に行って今日で10日。

彼女が城から出ているという報告はないので、別人なのだろう。


だが、天色の髪と瞳は、国民の誰しもが知る、神託の巫女の象徴であり、同じ時にこの特徴を持つ人間が2人以上いたことはない。

先代のソフィア様も、フェリスティア嬢が現れた際に髪と瞳の色がグレーに変化したそうだ。


…結論を出すには早すぎる。


「しばらく様子を見よう。トラッド、この件についてはもう少し情報を集めてくれ」


ルーベンは現段階ではまだ、なにかのイタズラであったり、デマである可能性を排除できないと考え、国王への報告を一旦保留とすることにした。


しかし後程、この事をひどく後悔することになることを、彼はまだ知らない。

いつもお読みいただきありがとうございます!

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