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上皇后様との花嫁修業

ようやく本編に戻ります(汗

「よく来てくれましたね、フェリスティア。アメリアやミリーもご苦労でした」

「ソフィア様、本日から宜しくお願い致します」


私は王室の別邸であるエスプリ城というところに来ている。


国王様のお母様にあたる上皇后であり、前・神託の巫女であるソフィア・グリンフィールド様に、クロフォード王太子様の婚約者、そして神託の巫女としての手解きをいただくためだ。


「私が教えられことなどあまりないと思いますが、堅苦しいのは疲れるので、お茶や城内の散歩でもしながら色々と話していきましょう」


ソフィア様は以前お会いした時と同じ、柔和な微笑みで出迎えてくださった。


エスプリ城は、王城に比べると小振りなお城で、現在はソフィア様と、昔からソフィア様に仕えている数人の執事や侍女などの使用人さん達と暮らしているのだそうだ。


「久々の来客、しかも孫のかわいらしい婚約者ということで、皆喜んでいるのですよ」

「押し掛けてしまいましたのに、ありがたいお話です」

「もう日も暮れてしまいましたので、色々な話は明日からにしましょう。荷物の整理が済んだら夕食にしましょうね」


荷物をほどき、ダイニングへ向かうと、湯気のたつ美味しそうな食事が所狭しと並べられていた。


「せっかくなので、エスプリ城風に参りましょう」


ソフィア様がそう仰ると手の空いた人達が食卓につき始める。


「ここでは執事や侍女達も一緒に食事をとるんですよ。さぁアメリア達もお掛けなさい」


そう言われてアメリアやミリーも席につく。

私はソフィア様のお隣に席が用意された。


「では、来てくれたかわいらしいお客様達に乾杯」


最初は戸惑ったが、皆さん気さくで、久々の賑やかな食卓はとても楽しかった。


~・~・~・~・~


エスプリ城に来た翌日からソフィア様の手解きが始まった。


手解きといっても、学校の授業のようなものではなく、お城のお庭を散歩しながら王室内部の歴史をお話していただいたり、お茶を飲みながらご自身が巫女であられた時のお話を聞いた。


「フェリスティアには精霊はどのように見えていますか?」


今日はお城に来てから1週間、お天気が良かったのでお庭の木陰でピクニックをしながらのお話中だ。


「少々言い方が失礼かもしれませんが、私には元気な男の子に見えています」


私の見ている精霊さんを思い出す。

エスプリ城に来てからも、私が1人の時によく会いに来てくれている。


「そうですか、私の時は物静かな美しい女性の姿に見えていました」

「全く違うのですね。違う精霊が会いに来ているのでしょうか?それとも見え方の問題なのでしょうか」

「その辺りはわかりませんね」


急にソフィア様が遠くを見る。


「巫女の代替わりは今まで、巫女が亡くなることによるものばかりでした。しかし私の場合、徐々に力を失う形で代替わりとなりました」

「はい、少しですが聞いております」

「最後は姿が見えなくなり、細切れにしか声を聞くことができませんでした。しかもあの時は、雨が降らず、それについて聞こうとするだけで手いっぱいでした」


ソフィア様はそこで話を切ると、悲しげに微笑まれた。


「もしも、フェリスティアの精霊と私の精霊が同じであれば、代わりに彼女にお礼を言ってもらいたいと思ったのです」


きっとソフィア様の中で心残りになっているのだろう。

私になにか出来ることがあればいいのだが。


いつもお読みいただきありがとうございます!

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