支配者
いつの時代も王というものは碌でもないものだな。為政者全てを貶すつもりはないが、少なくとも眼前にいるのはただの無能である。
何はともあれ、どうもこいつは俺に最強の魔法師にしてくれと頼んでいるらしい。違うか。命令というか、王の言う事は従って当然みたいな高圧的な態度である。
俺は別にここの国民でも何でもないから従う理由が無いのだが。
これ以上声を聞くのも不快なのでさっさと殺してしまおう。
おい、奴隷。こいつを燃やせ。
(はい。分かりました)
そう言うと、奴隷の手から白い透き通った炎が出てきた。この期に及んでまだ何かを喚いている王に向かって炎を飛ばすと、一瞬で王は跡形もなく魂すら残さず消滅してしまった。
これが本当の火魔法だ。
物理的性質しか持たない火を出している内は二流だ。火魔法の真髄は肉体、魂、全てを燃え尽くし完全に消滅させる炎を作り出すことにある。
この炎なら、そんじょそこらの魔法すら容易く消滅させることが出来る。
まあ、この魔法を使えるような魂に作り変える研究は五年も掛かったからな。これくらいやってもらわないと困るが。
さて、王が嫌いだと言ったところでいないと困るのも事実だな。誰か代わりを置かなくては。...ああ、お前でいいか。じゃあ奴隷、お前今から王な。
(はい。分かりました)
と言っても内政はほとんどやる事が無いだろうからな。ほぼ外交のみになるだろう。
では、王に相応しい魂にしてやろう。




