異常な力の原因
反魔法使いを奴隷にした後、一旦村へ戻りこれからの事を考えることにする。
村へ着くと、気絶している村長の姿が目に入った。ああ、騎馬兵に気を取られていてすっかり忘れていた。
しっかりと精神魔法をかけ奴隷にしておくことにしよう。
手を触れ、魂を複製し、破壊する。
そして、複製した魂の解析を始める。
すると魂は今にも崩壊しそうなほどボロボロになっていた。
「おかしいな、手加減して袋叩きにしたのだが。死にかけているわけでもないのに何故だ?まあいい、まずは壊れないよう応急処置をしておこう」
崩れないよう形を整えるイメージをする。これでひとまずは安心だ。では、改めて解析を再開することにしよう。
「うーん、命令した相手の行動を制止する魔法か。だが、影響力が小さすぎて元のままでは使い物にならないな。喧嘩の仲裁くらいはできただろうが」
まあ、村をまとめる村長にはうってつけの魔法かもしれない。喧嘩くらいなら本気で村長に歯向かおうともしないだろうから強制力がなくても十分だろう。
なら、何故動くなと言われた時強制的に動けなくなったのだろう。
怒りで影響力が上がったのか?
いや、感情の変化程度では魔法の効果に劇的な変化を及ぼせないだろう。それに、魂がボロボロになることもない。
精神魔法を使いすぎて感覚が麻痺していたのだが、本来魂を変化させるというのは並大抵のことでは出来ない。というか原則的に不可能なのだ。
おっと、そんなことを言っている場合ではないな。早く魂を直してやらなければいけない。壊れてしまう。
とはいえ、どうしようか。ボロボロになった理由が分からないから元に戻るイメージが湧かないんだよな。必死にやってみるものの何故か上手くいかない。
仕方ないのでもう少し詳しく見てみようと思い、解析を進めていくと、中心に何か小さいものが見えた。
「ん?何だこれは」
中心にあった鈍く光るものは、村長ではない魂の欠片だった。
何故こんなものが?まさか、これのせいなのか?ちょっと動かしてみよう。
中心の魂だけ少し動かすイメージをする。
すると、村長の魂が激しく反応しだした。
まるで異物を追い出そうとしているかのようにすごい力で揺れ動いている。
なるほど、何となく分かったぞ。
この反応はおそらく拒否反応だろう。魂の中に他の魂が入ってきたことによって、バランスが崩れたのか何なのかは知らないが魂の維持が困難になり、崩壊が始まったのだ。
だが、その代わり通常では絶対得ることの出来ない程の力を得た、という事か。
そんなことがありえるのかね?女神さん。
(そう考えるしかないと思います。しかし、魂をバラバラにする魔法が存在することは知っていましたが、こんな使い方があるとは)
そんな魔法があるのか。精神魔法と倫理的な問題では大概じゃないか。
(ただバラバラにするだけの魔法と好きに作り変えることの出来る魔法では天と地の差がありますよ。しかし、今回の件で改めなければならないかもしれませんね)
是非そうしてもらいたい。
さて、原因も分かったことだ。早速取り掛かろう。
まずは中心にある欠片を取り除く。
おお!少しずつだが、形を取り戻してきたぞ。やはり、こいつが崩壊を引き起こす原因だったのだな。
こうなれば後はいつものように作り変えていくだけだ。




