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「そんなこと言っちゃって。ほんとはエロダンナのくせに経験ないんじゃないの~?」



ここまで言う気はなかったんだけど。


売り言葉に買い言葉で、私のお口が絶好調に滑りまくった結果。




「じゃあよー……お前アイツに【ピー】してもらったのかよ。【ピー】に【ピー】を【ピー】できんのか。俺なら5回は【ピー】できるけどなぁ。【ピー】なアソコに【ピー】を【ピー】して【ピー】【ピー】【ピー】……」


「うわあああもうやめてえええ!!!」




若ダンナのピンクな妄想と『エ』『ロ』魂に、火をつけてしまった。



放送禁止用語の素晴らしい乱れ撃ちに、私のバージンハートは穴だらけになった。



タイガの口を塞ぐか自分の耳を塞ぐか、生死をわける選択に迷うよりも速く。


飛野さんが真っ先に、タイガの口を塞いだ。

湯気出るんじゃないかってくらい、赤く染まった顔で。



とりあえず、『エ』『ロ』細胞に蝕まれるのは避けることができた。



純情料理人、飛野さんの活躍によって。




「若大将。俺、女体盛り食いてえ」


「若ダンナ。てめえを三枚にオロしてやるよ」




それでも仲良しな二人の口元には、小さなアザがあった。



……なんだ。止めてくれてたんだ。


二人して、私と太郎さんがいる和室へ行こうとしたジローさんを、止めようとしてくれてたんだ。



無理みたいだったけど。手に負えなかったみたいだけど。


けれどイタズラ大好きなタイガでさえ、面白半分にジローさんを行かせるわけでもなく、私達に気を遣って止めようとしてくれたことが、驚き半分ちょっぴり嬉しかった。




いいとこあるんじゃん、若ダンナ。





「なぁ、オメーよー……」


「なに」




急にタイガは私の正面に座り込み、ある一カ所をじーっと凝視している。



私の、首もとらへんを。




「それ、キスマークじゃねえの」




見つめる目を一点に集中させたまま、タイガが指差してきた。




「え、うそ!?」




キ、キスマーク!?


そんなわけない。そんなの、ついてるはずない。



だって……ジローさんとそーいうことしてないし!!



キスはしちゃったけど、それだけだし!?


いや、キスはそれだけなんてことじゃないんだけれども。


キスに慣れるなんてこと、一生ないと思うけども……。



違う、そんなことじゃなくて。



キスマーク……首筋……。




一瞬、閃いた。



思い当たるのは、あの時。



アイツに押し倒されて、色々されかけちゃったあの時しかない。





「まさか……ハイジ?」





これがいけなかった。



うっかり、ぽろっと呟いちゃったのが悪かった。



『やだ、ついうっかり☆』なんてレベルの、うっかりさじゃない。



うっかり刑事がいたら、うっかり逮捕されちゃうくらいのうっかりだ。



後悔したときには、遅かった。



「くっ」と可笑しそうに喉を鳴らすタイガに、恐る恐る顔を上げた。



そこには、世の中にこれほどまでにハラワタ煮えくりかえっちゃう笑顔があるのかってくらい、いやらしい笑みを湛えたタイガの顔があった。





「ちょっとぉ、冗談なんだけど~。ハイジってなあに~?タマちゃんったら、ジローさんだけじゃなくハイジくんともイケナイことしてるの~?やぁね、イマドキの若い子ってお盛んなのね~」





ああ、神様。




どうか、どうかこの金色のエロデビルに、天誅を……!!!





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