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王子達とのお茶会は波乱の予感です 1



私は今、馬車に揺られながらバクバクの心臓を必死に鎮めようとしています。隣にはそんな私を気遣いながらも落ち着いた様子のフルール様、正面にはそんな私達を見守るスクレさん。そして、この馬車が向かう先はー…。




「到着致しました。」



馬車が止まり、御者さんの声かけとともに外に出る。

遠くからなら腐る程見た白亜の建造物、それを囲う塀の内側に入ったのは初めてだ。ここからだと見上げてもてっぺんがわからない、本来ならこの場所へのデビューは明日の夕方のはずだったのに…。




「フルール=ド=モーヴェ様、トゥシェ=ルルー様。本日は王城にお越しいただきありがとうございます。」



開かれた玄関?入り口の奥で、笑顔のシュポールさんが一礼して出迎えてくれた。





以前フルール様の屋敷にお邪魔していた時に届いた手紙。そこに書いていたのは、2人の王子殿下がお茶会を開くので王城に来て参加してほしいという内容だった。しかもただのお茶会では無く、卒業パーティーで初めて王城に来る私の緊張を和らげる為に開催したいと計画したらしい。

お茶会と書いてはいるものの、私にお城の雰囲気を知ってもらう事がメインの目的だそうで、4人で王城内を巡ってからお茶を飲みましょうと手紙に書かれていた。


フルール様にとっても予想外の内容だったらしく、手紙を受け取った時の彼女は困惑していた。そして文章には、フルール様から私に声をかけて連れてくるよう書かれていたみたいで、偶然居合わせた私はすぐにどうするか希望を聞かれた。



「正直、このような形でお2人から連名で招待を受けるのは初めてで意図が掴めないのです。書かれているそのままの内容であれば、有難いお話だとは思いますが…。トゥシェさんはどうしたいですか?もし、行きたくないのであれば私からお2人に断りの返事をさせて頂きますけど…。」



本音を言うとめちゃくちゃ行きたくない。フラム殿下からもフリュ殿下からも最後のダンスに誘われて、返事が決まっていないこの状況で!!

でも、ここで断るのってフルール様の立場を考えたら良くないんじゃ…?彼女には貴族として、王太子殿下の婚約者としてするべき振る舞いがあるよね。



「…私は大丈夫です。お茶会、一緒に行きます!」





…こうして、私とフルール様は卒業パーティー前日の昼下がり、フラム殿下とフリュ殿下が開催するお茶会へ行く事になったのだ。



王城に行くならそれなりの正装をしなければならない。パーティー用の物より落ち着いたドレスが必要となった為、あの後慌てて今日着るドレスも決めてお借りする事になったんだよね。

と、いう訳で今日も慣れないドレスを着ております。明日着る瑠璃色のドレスとは違った明るいレモンイエローのドレス。フルール様はワインレッドを基調としたドレス姿で、これまた女神のような美しさだ。



王城内を移動する事が予想されたのでヒールは低めの靴にした。そのおかげか、案内してくださるシュポールさんに置いていかれる事はなく済んだ。

ただ入った瞬間の空間の広さ?豪華さ?フルール様のお屋敷とは比べ物にならないレベルの煌めきに秒で怖気付いてしまい、進んでいろいろ話しかけてもらってはいるものの心ここに在らず、といった状況です。


廊下を歩いているだけで多くの人とすれ違う。多分王城で働く人達だろう、すれ違う前に必ず止まって一礼してくださる。徹底されてるなぁ…と思う反面、それに礼で返すフルール様を見て自分も返さなくちゃ!と不恰好なお辞儀を繰り返した。


これが、王国の『城』…!!




しばらく進んで、シュポールさんはある部屋の前で立ち止まった。



「こちらの部屋にてフラム様達がお待ちです、入りましょう。」



そびえる立派なドアをノックするシュポールさん。私たちを連れてきた事を伝えられ、目の前のドアが開かれた。



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