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試験も補習もレッスンも大変です 1



それからの放課後は、フルール様と学園内でダンスの練習をしたり、ヴァン先生の補習を受けたり、2人とも都合が悪い日は図書館に行って勉強したり…とにかく目まぐるしい毎日だった。あと、ダンスの練習もあるし…とか何とかでヴァン先生の補習頻度が以前より増えた。

試験前なのに本当に大丈夫なんですか、今まで通りの頻度で私は十分ですよって何度も言ったのに、先生は一向に譲らなくて。案外頑固なんだと驚いた反面、私が折れないとこの言い合いは終わらないと悟り、先生の言葉に甘える事にしたんだよね。


お陰で?試験を来週に控えたこの時期に、既に私はヴァン先生相手ならある程度踊れるようになっていた。

勉強の進み具合も悪くない。今の感じなら、座学の学年末試験はそれなりの結果を出せるだろう。



問題は。




「魔法実技の試験は何をすれば良いのかさっぱりわからない!!試験範囲とかも無いし!!」



そう、それぞれの分類の魔法能力をみられる実技試験!

実技対策には何すれば良いんですかーって、ちゃんとオルロージュ先輩には聞いたんだけど…。



「時の魔法は希少だから、あーしろこうしろってカリキュラム?特に決まって無いんだよね。だからひたすらにコントロールの技術を上げる。それしか無いんだ〜。」



…なんて言われてしまった。試験監督は予想通りグリモワールさんがしてくださるらしいので、彼にも聞きに行ったんだけど。



「内容は秘密、自分の思うように頑張ってね。」



との事。つまり八方塞がり状態。どうしようもない為、今日も私はいつもの水晶に魔力を送るコントロール練習をしていた。

少し離れた場所にいるオルロージュ先輩は、何やら書物を読みながらぶつぶつ言っている。試験内容の予測がつかないのは彼も同様なので、案外私と同じで焦っているのかもしれない。


午後の授業終了を知らせる鐘が鳴った。手応えが無いまま、私はいそいそと荷物を片付けて部屋から出る準備をする。すると、同様に片付けをしながら先輩が話しかけてきた。



「そんなに急がなくても。この後授業がある訳でも無いんだし、もっとゆっくり片付けたら?」

「駄目ですよ。授業は無いけど補習があるんですから。」

「補習ってヴァン先生の?この前も同じ事言ってたよね、最近頻度おかしくない?」

「そうですよね、先生も忙しいはずの試験前に週2って…やっぱりおかしいんですかね?」



片付けが済んだので鞄を手に持ち聞いてみると、何故か先輩は少し口を尖らせた。



「おかしいよ試験前とか関係なく。仮にも男と女が2人きりで、週に2回も会うなんて。」

「それ言っちゃうと、私達の会う頻度がもっとおかしいって事になりますけど。」

「俺達はいーの。でもあの人は教師だよ?トゥシェちゃん、何か変な事されたりしてない?」



…それはつまり、私とヴァン先生が補習という肩書きのもと逢い引きをしているとでも言いたいのか?




「先生がそんなやましい事する訳無いじゃないですか、先輩じゃあるまいし。先生が補習の回数を増やしてくれたのは、勉強のついでに卒業パーティーに向けてダンスの練習相手もしてくれるようになったからです!」



女たらしのあんたと一緒にするな!腹立つわー。

…あれ、先輩さっきより顔つきが険しくなってませんか?



「…トゥシェちゃん、補習の度に先生とダンス踊ってるの?」

「え?はい、そうですけど。」



質問に答えると彼の表情が更に険しくなった、何故?…かと思ったら今度はにっこり笑顔に変化。でもこの笑顔、なんか胡散臭いぞ?

私並みにコロコロと変化するその表情に若干ビビっていたら、いつの間にか私同様に帰る準備を完了させていた彼が、私よりも先にドアノブに手をかけてこちらに振り返ってきた。




「今日の補習、俺も参加させてもらって良い?」

「何でですか?先輩、補習受けなくても良いくらい頭良いでしょ。」

「それはそうなんだけど、ヴァン先生との補習に参加しないとわからない問題があるんだよね〜。ほら、ボサッとしてないで行くよトゥシェちゃん!」

「えっ?…えっっ!?」



行くよと声をかけられた瞬間、私の体もドアの方に吸い寄せられた。どうやら先輩が私の手を掴んだらしい。そしてそのまま部屋を出て、ヴァン先生の部屋に向かって足を進めているんだけど…。



「先輩…手離してくれませんか?先生の部屋までは私の方が行き慣れてますし案内しますよ。」



私がそう言うと先輩の手を握る力はむしろ強まった。正当な理由を言ったのに、何故だ!!

それに、私がやいやい喋っているにも関わらず、珍しく彼は言葉を返してくれない。反応が無いと私が勝手に騒いでるみたいになるじゃん勘弁して。



季節は冬。外は冷えるけど、学園内は寒さを感じない温度に保たれている。

だからなのか、先輩に掴まれた…繋がれた?私の手のひらからじわじわと汗が滲み始めていて。あらゆる意味で本当に手を離して欲しかった。



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