フルール様の屋敷でお茶会です 4
話を弾ませているうちに用意されたお茶やお菓子が減っていく。けれど気づいた時には新しいお茶やお菓子が補充されていた。されてたんだけど…
「シャルロット様が持って来てくださったチョコレート、まろやかで優しい口当たりですね。」
「スザンヌ様の持ち寄った茶葉はミルクティーにぴったりですわ。」
「オリヴィア様の屋敷のシェフが作ったマドレーヌも美味ですわ〜。」
私が知らない間にトリオが差し入れ的な物を持ち寄っていたらしい。
そんな事するなら事前に教えてくれても良いじゃん!私手ぶらで来てるから地味に気まずいんですけど!
「…ごめんなさい、私何も持って来てなくて…。」
ミルクティーを少し飲んで、視線を落としてボリューム小さめに謝罪する。ドレスアップ全部やってもらったくせに、気が利かないな私…。
誰も何も言ってくれないので、恐る恐る視線を上げる。…4人ともキョトンとしていた、なんで?
「トゥシェさんは私のわがままを受け入れて、早くに屋敷に来てくださったじゃありませんか。」
「それは、フルール様がいろいろ用意してくださるんだから当然ですよ。」
「私、貴女にドレスアップしてもらうのが本当に楽しみだったんですよ。スクレも言っていたでしょう?私の望みを叶えてくださったのですから、物でなくても十分すぎるほど貰っています。」
そうなの…?それでいいの?軽く首を傾げると、フルール様の援護射撃開始!と言った感じてトリオが次々に私のこの姿を見れたことが嬉しいと言ってくれた。あと、自分たちからの贈り物には家同士の付き合いの意味もあるから気にするなとも言われる。
「私達が持ち寄る物について黙っていたのが悪かったんです。言えばトゥシェさんも気を遣って、無理をして何か持ってくるかもしれないと…裏目に出てしまったみたいですわね。申し訳ありませんでした。」
「いや、オリヴィア様は何も悪く無いです!私の方こそごめんなさい、考えた上での行いだったんですね。」
「謝らないでくださいませ!私達の方が…」
「コホン!」
謝罪合戦の火蓋が切って落とされそうになった所で、フルール様の咳払いが入った。
「皆さんこう仰っているのです、トゥシェさんは何も悪く無いですわ。それよりもこのチョコレートとマドレーヌ、本当に美味しいのでトゥシェさんも召し上がって?」
フルール様はチョコレートを一粒摘み、私の口の高さに合わせて腕を上げ…って、あーんですか!?!?美女からの、あーん!?腕の位置をそのままに覗き込んでくるフルール様のお顔がこの上なく尊い…って早くしないと腕疲れちゃいますよね、眠れるヲタク気質にはまた寝てもらいます。
パクッと勢いよく、彼女の指先のチョコレートに飛びついた。あっ甘ーい美味しい。
「美味しいですねフルール様!」
パッと視線を向けると、フルール様は顔を赤くしてびっくりしていた、あれっ?
トリオに視線を移したら、まぁ〜とか言いながら口元扇で隠したよ。でも目がニヤニヤしてる、私何かした?
その後はまた何気ない会話に戻って、私も遠慮せずにお菓子をいただいた。
紅茶やお菓子が更に減り、お腹もある程度膨れたので、そろそろフルール様の薔薇園に行きましょうと全員で席を立ち、ガゼボから出た矢先。私達がさっき通ったトンネルの方からコツコツと急ぐような足音が聞こえてきた。徐々に大きくなる音からして、明らかにこちらに向かって来ている事がわかる。誰だろう、フルール様に急ぎの用事とかかな。
私達はおもむろにトンネルの出口を見つめた。




