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午後の過ごし方リニューアルです 2



「何なのあの王子、意味わかんない!」



昼休みが終わりフルール様とも解散した私はモヤモヤを抱えながら図書館へと向かっていた。どうして私が殿下の言う事を聞かなければいけないのか、そして聞くと思っているのか。あ、王族だから?いやでもさっきの件は身分関係ないでしょ。


その証拠に、私は今遠回りをしている。本来なら通る必要のない実技部屋方面からぐるっと回って図書館に行こうとしているのだ。ダメと言われたら気になるのが人ってものでしょ?それにこの件に関して殿下に従う義理も理由もない。



「今日も来るかな、あの人。」



部屋のドアを背にして構えてみる。来るなら来やがれ、二発目を食らわす準備は出来てるぞ!



唇をキュっと閉めた次の瞬間。







ポーズはそのままに、景色がいきなり変化した。

あれ、ここって確か実技部屋の中…。




「よっ!昨日ぶりだねトゥシェちゃん。」



軽快な声がする方に視線を移すと、例の赤毛のイケメンが室内の椅子に我が物顔で座っていた。


えっ、え、なにこれ。



「…何が起きた!?」



首から上だけ動かしまくって室内をキョロキョロ見回す。彼がブッと吹き出した。



「やっぱり面白いね、君。えっとね、俺がちょっと魔法を使ったんだよ。」



はい!?どういう事?魔法で瞬間移動でもさせられたの?



「転移門もないのに瞬間移動とか出来るんですか!?」

「違う違う、転移用の魔法陣でもない限りそれは無理。…いつまでそのポーズとってるの?面白いから俺はいいけど。」



言われて気づいた私は急に恥ずかしくなって、慌てて構えを解除した。距離はそのまま、じとーっと彼を見る。



「そんなに警戒しないでよ、昨日みたいな事はしないからさ。」



本当か?信じられないんですけど。



「…あの、瞬間移動じゃないならどうやって私をここに運んだんですか?」

「あー…俺ね、時間止められるの。」



…なんですと?



「この部屋向かって歩いて来てたら、遠目にさっきのポーズでドアの前にいるトゥシェちゃんが見えたのね。こりゃあ普通に声かけても警戒されて終わりかもな〜と思って。だから時間止めて、その間に君をこの部屋に入れたって訳。ポーズは面白いからそのままにしておいたよ。」



いやいやしれっと凄い事言いましたよね今。時間停止か…確かに、分類的には私と同じ時の魔法になるな。とか考えてるうちに赤毛のイケメンは爽やかなスマイルと共に立ち上がって、ゆっくり私に近づいてきた。数歩後退りすると背中にドアノブが当たる。


出て行っちゃおうかな…。ドアノブに手をかけようとしたその瞬間、気づいたらドアノブにかけるはずだった手は彼に掴まれていた。ニヤッと笑うイケメンが視界を支配する。



「だから言ったじゃん。俺、時間止められるんだって。逃げようとしたってむーだ。魔法発動しちゃえばすぐ捕まえられるんだから。」



昨日ほどは迫ってこないけど…やっぱり近い。



「…私がここに来ないって可能性は考えなかったんですか。」

「考えてたよ。その場合は学園内探すかフラムに居所吐かせるつもりだった。」



フラムって、やっぱりこの人王太子殿下と知り合いか!



「あなた誰ですか?フラム殿下と面識あるみたいですけど。」

「えー昨日自己紹介したのに覚えてないのー?」

「言ってましたっけ?てかあの状況で名前なんて覚えられる訳無いでしょ!」

「悲しい事言わないでよ。」



彼は眉を八の字にしてから、少し考えるような表情をした後私の手を離し、ちょっとだけ離れて私の正面に立った。



「俺の名前はオルロージュ=ド=アルブレ。学年は君の1個上、使える魔法は時間停止。フラムとは昔からの仲良し。そして今この瞬間から、トゥシェちゃんに時の魔法を教える役目を得た先輩になりました〜!仲良くしてね♪」

「……はい?」



ちょっと待って、私教えてくださいとか言ってないんだけど!?



「なんで教える事になってるんですか。それにあなた不登校でしょ?魔法はある程度使えるから学校来ずに武芸ばっかり磨いてるって、グリモワールさんが…。」

「そうなんだけどね、噂で聞いた君に直接会って気が変わった。これからはちゃんと登校して、午後の時間はトゥシェちゃんと魔法実技をやる事にするよ。」



まじで?それは有り難い…けど、そうなると私、毎日この人と2人で午後の時間過ごすって事?それはちょっと…。



「あ、万が一拒否したとしても、時間になったら魔法使って強制連行するから。トゥシェちゃんだって魔法のスキルアップしたいよね?はい、決定。」

「拒否権なしかい!」



赤髪のイケメン改めオルロージュ先輩は楽しそうに笑った。

この後早速、私の使える魔法の詳細やコントロール状況を確認され、流されるがままに実技練習が開始された。どうなる事かと思ったけど教える時は真面目にしっかり教えてくれたので、これなら明日以降も指導してもらいたいかも?なんて思ってしまった。



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